世界遺産で知られる広島県の宮島に、宮崎県のパンケーキ店が新店舗をオープンした。宮崎で1号店を立ち上げてからわずか2年で日本を代表する景勝地への出店。たどり着くまでには、オーナーのたゆまぬ努力と熱い思いがあった。

世界遺産・宮島にパンケーキ専門店

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広島県宮島に2024年9月にオープンしたのは、まるでバーのような雰囲気が漂うスフレパンケーキ専門店「パンケーキの向こうがわ」だ。

パンケーキの向こうがわ 前田洋輔代表:
記憶に残るパンケーキ屋をやりたいというのが叶った。世界遺産・日本三景の土地でできるというのは自分の中でプラスだし、ここで自分が本当にやりたいパンケーキ屋をイメージできた。
華々しい宮島出店。しかしその道のりは決して順風満帆ではなかった。

「パンケーキの向こうがわ」代表の前田洋輔さん。2022年10月、宮崎市に1号店をオープンしたものの、約半年間、客足は伸びなかったという。

パンケーキの向こうがわ 前田洋輔代表:
1日にお客さんが2人から3人しかご来店していただけなかった時、夜営業も一人でやっていて、その時も全然お客さん来なくて辞めたいなって時期もあった。

それでも前田さんはお客さんの笑顔を見たい一心で、1日のほとんどを改良に費やし、生まれたのが現在のレシピだ。オーダーが入ってから1つ1つ作るのが、前田さんのこだわり。

きっかけは「怪獣レモン」

規格外のレモンをブランド化した広島県尾道市の特産品「怪獣レモン」。前田さんはこのレモンを使って商品開発をしたことをきっかけに、怪獣レモンの社長と宮島へ行く機会があった。

パンケーキの向こうがわ 前田洋輔代表:
すごく素敵な場所だなと思って、高級なパンケーキ屋をやりたいという夢があって、あいているということで、お願いした。多分無理だろう、県外だし無理だろうと思っていた。

宮島には歴史のある店が多く、県外から出店はほとんどない。しかし、前田さんの情熱と行動力が地元の人たちに届いたのだ。

まる福物産 福田容子代表取締役:
歴史のある建物なので、どなたにでもというのは…。また宮島に来たいと思ってもらえる方にお店をして頂きたいと思っていたので、前田さんはぴったりだと思います。

いよいよ迎えたオープン初日

世界遺産、厳島神社から徒歩5分。商店街の一角にある土産物店の奥へ進むと、「パンケーキの向こうがわ 智蔵宮島店」の店舗が見えてくる。佇まいが洗練されていて、かっこよさを感じる。一歩、店に入ると、日常から離れた雰囲気が広がっている。「智蔵(とものくら)」の名前の通り、今まで使われていなかった蔵を改修して作られた。

この特別な空間に加え、最後の仕上げ、パンケーキの盛り付けを客の目の前でするのが、前田さんのこだわりだという。

卵は宮崎県えびの市の「天孫降卵」というこだわりの卵を使い、ふわふわ、プルプルのパンケーキを実現しているという。

イタリアからの観光客:
amazing!すごい。おいしかった。味が完璧だし、ソースも素晴らしい。とてもふわふわしていた。

広島市から訪れた人:
なかなかないですよね、この空間とこだわりのパンケーキは。出てくるまでワクワクしてニヤニヤしながら頂きました。ちょっとリッチな感じで気持ちが豊かになりました。

初日の営業を終えた前田さん。「お客様が笑顔で帰っていただけたのでよかった。思い出になるような営業になった。」と振り返るとともに、新たなチャレンジが芽生えてきたという。

パンケーキの向こうがわ 前田洋輔代表:
海外で戦いたいと感じた。一人一人のお客様が喜んでもらえる空間と、おいしいものを作るという作り手のスキルを上げていかないといけない。課題が見つかった日になった。

成長した先に、見えてくるものがある。パンケーキの向こうがわの挑戦はこれからも続く。

(テレビ宮崎)

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