10月14日に開業を控えた長崎スタジアムシティの竣工式が6日に行われた。ジャパネットホールディングスの高田旭人社長(高ははしごだか)は「持続可能なものでないと意味がない」と、約1000億円を投資した民間主導のプロジェクト成功へ決意を語った。工事の進ちょく率は100%でテナントの内装工事を残すのみ。気になる内部に潜入した。
持続可能なものでないと意味がない
ジャパネットホールディングス 高田旭人 代表取締役社長兼CEO:
このプロジェクトは、地域創生の象徴的なものと言われる気持ちとして長崎のためにと思うが、同時に、持続可能なものでないとビジネスとしては意味がないと思っている。
6日の竣工式では、設計や工事に携わった関係者がプロジェクトの成功を願った。
「長崎スタジアムシティ」はジャパネットホールディングスが長崎市幸町の7万5000平方メートルの敷地に、総工費約1000億円をかけたプロジェクト。サッカースタジアムやアリーナのほか商業施設やホテル、オフィスを備えている。
工事の進ちょく率は100%。開業に向けてテナントの内装工事などを残すのみとなった。
開業が迫るなか取材に応じた高田社長は「投資費用を26から27年で回収したい」と述べた。
長崎市内の他の商業施設や観光施設との連携については現時点で考えておらず「我々が振り切って集客し続けることで波及すると思っている」と語った。
また、交通渋滞対策についてはJRや長崎電気軌道などの公共機関と連携し「車で来ない方がよい環境を作りたい」とした。
高田旭人代表取締役社長兼CEO:
駐車場はICTを使って価格も変動させようと思っている。例えば試合直後に出るより2時間後に出た方が1000円くらい安いとか、あらゆる考えられるアイデアを重ねたい
臨場感がたまらない!アリーナに潜入
完成したハピネスアリーナに足を踏み入れると…
つり下げ式のセンタービジョンも稼働し、かなり奥行きがある印象だ。バスケットボールB1リーグ長崎ヴェルカの本拠地となる。
収容人数はバスケットボールの試合時で約6000人。イベント時には1000人から5000人まで席数を増やすことができる。コートと座席の距離も近く、臨場感を楽しめる。
「開業が楽しみでしかない」と話すのは長崎ヴェルカの伊藤拓摩代表取締役社長兼GM。実際に1階から4階までのすべての階の席に座ってみたという。「どこからでも楽しめる作りになっている。エンターテインメント性が高いアリーナができたと思う」と話す。
シートはクッション性があり座り心地がよい。前の幅も広めにとっていて快適。ドリンクホルダーも付いていて、興奮しても飲み物をこぼさずに応援できる。
伊藤代表取締役社長兼GMはBリーグでは観客が一緒に参加できるようなビジョンを使った演出も検討中だという。
様々な仕様で楽しめるアリーナ
ハピネスアリーナはBリーグ以外の興行も行われる。
7月、フィギュアスケーターの高橋大輔さんも視察に訪れた。
驚いていたのは観客席との距離。「近い!ライブとかやったらめちゃくちゃいいですね」と大興奮だった。
高橋さんは2025年1月18日、19日に行われる長崎県内初のアイスショー「プリンスアイスワールド」に出演する。
フィギュアスケーター 高橋大輔さん:
周囲がすべて黒なので、照明とか入ってくると沈んできて映えるんじゃないかな。すごく素敵じゃないかと思う
バスケットボールのB1リーグ、バレーボールのSVリーグ、アイスショーやライブのほか、2025年の長崎市の二十歳のつどいもここで行われることが発表されている。
アリーナが本拠地の長崎ヴェルカ
竣工式を控え、B1リーグの長崎ヴェルカは、10月に始まる2024-2025シーズンの新体制を発表し、新ユニホームも披露した。
2023-2024シーズンはB1西地区6位に終わった長崎ヴェルカ。外国籍の選手は(アジア特別枠含む)3人が入れ替わり、新加入の選手はあわせて5人となった。
注目は滋賀レイクスから移籍の川真田紘也選手(26)。漫画「スラムダンク」の主人公にプレースタイルが似ていることから「リアル桜木花道」と言われる、Bリーグきっての人気者だ。
長崎ヴェルカ 川真田紘也 選手:
バスケ以外でも長崎のために一肌脱ぎたい。僕の活躍を見てください
ヴェルカの今季のスローガンは「TOGETHER,WE RISE」。“一丸となってBリーグのトップに上りあがろう”という狙いを込めた。伊藤代表取締役社長兼GMは「4年目となるシーズンはとことん結果にこだわりたい。長崎をバスケで盛り上げたい。長崎から日本を盛り上げたい」と熱い想いを語る。チャンピオンシップに出場し、その際には優勝を狙える、優勝に値するチームになりたいと意気込む。
長崎ヴェルカは9月14日ハピネスアリーナで、琉球とプレシーズンゲームを行う。ハピネスアリーナで観客を入れた実質的な初お披露目の試合となる。
長崎スタジアムシティは10月14日の開業まで、いよいよカウントダウンだ。
(テレビ長崎)