長崎スタジアムシティは開業までひと月を切った。バスケットボールB1リーグ長崎ヴェルカの本拠地ハピネスアリーナでは、プレシーズンゲームとなる初の試合が行われた。2000人が列を作って開場を待ち、訪れた人たちは臨場感ある施設に大興奮だった。
斬新さと臨場感
9月14日午前11時半。
この記事の画像(12枚)長崎に誕生した“本格アリーナ”初試合の開場時刻には2000人が列を作った。真新しいアリーナに足を踏み入れた5227人は、アリーナの斬新さに興奮冷めやらぬ様子。
プレシーズンゲームにも関わらず、スタジアムシティの開業とシーズンの開幕を待ちわびたファン・ブースターで会場を埋めつくした。
アリーナのウリは観客席とコートが近く「臨場感を味わえる」ことだ。最前列に座った長崎ヴェルカのブースターは「コートと観客席がぐっと近くなった気がする」とワクワク感で高揚していた。
長崎ヴェルカは今シーズン、5人の新加入選手を迎え入れた。中でも大注目は滋賀レイクスから移籍した川真田紘也選手(26)。
漫画「スラムダンク」の主人公にプレースタイルが似ていることから「リアル桜木花道」と言われる、Bリーグきっての人気者だ。また日本代表の馬場雄大選手も今シーズンも長崎でプレーすることが決まった。チームの今季のスローガン「TOGETHER,WE RISE」のもと、チャンピオンシップに出場し、その際には優勝を狙える、優勝に値するチームになりたいと意気込む。
新本拠地に手ごたえを感じる試合
プレシーズンゲームの相手は2023-2024シーズンのBリーグ準優勝チーム・琉球ゴールデンキングス。
ヴェルカは新戦力のマーク・スミスが1人で34得点を挙げる活躍で序盤は圧倒。
アリーナは傾斜を付けて4階席でも見やすくしたとあって、観客も選手の1プレーごとに熱狂した。後半、追いつかれて最後は1点差で敗れ、アリーナ初勝利とはならなかったものの(長崎 78-79 琉球)、選手は手ごたえを感じていた。
川真田紘也選手:ほとんどの席が埋まっている状態で、こういうアリーナで試合ができることはうれしい。厳しいときでもお客さんがディフェンスコールやオフェンスコールで後押ししてくれるので、そういう意味ではすごく良いアリーナでバスケできていると思う
この日馬場選手は試合にこそ出場しなかったものの、元気な姿を見せ、ブースターを沸かせた。
試合を観戦したブースターも「最上階まで登ってみたが4階からでも見やすかった」と興奮気味。車いす利用者で車いす席に座った人も「見やすくてバリアフリーの観点からも特に問題はなかった」と満足していた。沖縄からきた人からは「アウェー側ももっとチケットが取れるようにすると、観光客誘致にもつながる」という声も聞かれた。
施設を運営するリージョナルクリエーション長崎の岩下英樹社長は「数年かけてスタジアムを建設し、お客さんがほぼ満員入ったところを見たときはうれしかった。次の開幕とかシーズン中ももっと上に行くつもりなので、ぜひ期待してほしい」と、自信をのぞかせた。
新戦力と新本拠地に手ごたえを感じたヴェルカ。開幕節の10月4日、5日にはサンロッカーズ渋谷を迎え、より「ワクワク」を届けたいと意気込む。
長崎駅からは徒歩10分
プレシーズンゲームはスタジアムシティの開業前ということで、駐車場を使うことができなかった。
長崎市内で路面電車を走らせる長崎電気軌道はアリーナ開場の前後と試合後に特別路線の臨時便を約7台ずつ運行した。長崎駅を利用したファン・ブースターの中には約10分かけて徒歩で施設へと向かう人も多かった。徒歩で向かったブースターは「途中に選手のぼりが立っているなど、アリーナに行くんだというワクワクするような演出があればいいと思う」「周回バスがほしい」など、改善を求める声もあがった。
長崎スタジアムシティは10月13日にこけら落としとなる福山雅治さんのフリーライブが行われ、14日開業の日を迎える。
(テレビ長崎)