兵庫県赤穂市の市民病院で起きた医療ミスで患者の女性に「全治不能」の両脚のミスなどの後遺症を負わせた罪に問われた医師だった男が初公判で起訴内容を認めました。
業務上過失致傷の罪に問われているのは、赤穂市民病院の医師だった松井宏樹被告(47)です。
■赤穂市民病院の医師だった松井被告起訴内容を認める「基本的に認めます」
松井被告は2020年1月、80歳の患者の女性の適切な止血をせず視野が不十分なまま腰の骨の一部をドリルで削る手術をして、腰の神経の一部を切断して女性に全治不能の後遺症を負わせた罪に問われています。
きょう=9日の初公判で、松井被告は「基本的に認めます」と話し、起訴内容を認めました。
松井被告は黒っぽいスーツ姿で法廷に姿を現し、証言台に座る前には一礼しました。
法廷には被害者の女性の親族が被害者参加制度を使って出廷していましたが、目を合わせることなどはありませんでした。
弁護側は冒頭陳述で、「指導した上司の医師が『時間がかかりすぎる』とよく削れるドリルを使用するよう命じ、止血措置について松井被告が『吸引してほしい』と求めても、『削り進めなさい』という指示だった。松井被告1人に責任を負わせるのは適切ではない」と指摘しました。
一方、検察側は、医師が手術の動画を見て「上司の医師が執刀している部分は止血が十分にできている。この手術は止血を優先すべきだった」と指摘したことや、別の医師が手術箇所の状態について「信じられない状態。解剖学的構造を理解していない」と指摘したことなどを証拠として示しました。
■被害者の女性「この痛みを治してくれ。足を動くようにしてくれ。そうじゃなければ死ぬ」
女性は激しい痛みが続いたほか、両脚のまひや尿意や便意が感じられなくなる障害に今も苦しんでいます。
親族によると、女性は松井被告に対して憤りの気持ちを語っていたといいます。
【女性の親族】「手術後に急に足が自由に動かなくなったりとか。普通手術って終わったら、手術前よりも良くなってるようなものなのに、『なんでこんな脚が動かないんだ』とか、そういうことに対して憤りとかも感じていました。
死にたいっていうふうな、『この痛みを治してくれ。足を動くようにしてくれ。そうじゃなければ死ぬ』っていうことを言っていました」
■民事裁判で赤穂市と松井被告は賠償命じられる
この医療ミスを巡って、松井被告と赤穂市はすでに民事裁判であわせておよそ8900万円の損害賠償を命じられ、判決が確定しています。
赤穂市民病院ではこの医療ミスのほか、松井被告がかかわった手術で医療事故が相次ぎ、この事件の被害者の親族がこれらを題材にインターネット上で、マンガ「脳外科医竹田くん」として問題を提起していました。