熊本市電の脱線事故について、熊本市交通局は8月26日に「レールと車輪の摩耗」が要因だったと明らかにした。熊本市電をめぐっては2024年に入り、トラブルが相次ぐ中で発生した7月の重大事故。熊本市交通局は再発防止策としてレールの補修や車輪の測定間隔を短縮することなどをあげている。
熊本市電の脱線は複合的な要因で発生
これは8月26日の熊本市議会・地域公共交通に関する特別委員会で熊本市交通局が報告した。
この記事の画像(6枚)脱線という重大事故は7月26日、田崎橋電停から二本木口電停へ向け時速12キロ程度で進行した際、運転士が異音と衝撃を感じ、車両を停車させた時に発生。乗客乗員合わせて4人にけがはなかった。
熊本市交通局運行管理課は8月26日の委員会で「レールの摩耗と車輪の摩耗という複合的な要因により発生したと判断した」と報告した。
脱線事故が起きた車両は熊本市交通局が1997年に国内で初めて導入した低床車両で、運転士に問題はなかったとしている。市は再発防止策としてレールの補修や低床車両の車輪の測定間隔をこれまでの6カ月から3カ月に短縮することなどをあげている。
市電の延伸は当初より概算費約6億円増
一方、26日の特別委員会では熊本市電延伸をめぐって、市移動円滑推進課が東区の健軍町電停から自衛隊中通りの熊本市民病院まで、約1.5キロ延伸するルートについて報告。概算事業費が、これまでの約135億円から141億円へ、約6億円増加する見通しを明らかにした。
単線とする予定の区間内の3カ所の交差点に、車の右折レーンを確保する必要があり、用地買収費用が発生したためなどとしている。
市電延伸の方向性については議会各会派持ち帰りとし、9月開く次回の委員会で再び議論することになった。
(テレビ熊本)