パリオリンピック・バスケットボール男子日本代表(世界ランキング26位)は30日、予選リーグの第2戦目でフランス(同9位)と対戦し、大接戦の末延長戦までもつれ込み90-94で惜敗。2敗目を喫し、「8強」入りへの望みを8月2日のブラジル(同12位)との戦いに繋いだ。
この記事の画像(14枚)体格差で、フランスのビクター・ウェンバンヤマが身長222センチであるのに対し、日本の富樫勇樹は167センチ。その差55センチの身長差にも関わらず、完全アウェイの歴史に残る名勝負で一時逆転も果たす死闘を繰り広げた。
東京五輪銀メダルのフランスと歴史的大接戦 八村途中退場も河村ら死闘で延長戦に
試合は第1クオーター、八村塁の2点シュートでスタート。完全アウェイにも関わらず、河村勇輝ら、両チームが互いに3ポイントシュートを応酬する互角の戦いを繰り広げ、25-32の7点差で終了。
第2クオーターも日本は体を張ったディフェンスリバウンドや積極的なオフェンスリバウンドを遂行するなど落ち着いたプレーを続け、富樫の3ポイントシュートで一時同点に。互角の戦いが続き44-49のフランス5点リードで前半が終了する。
後半も日本は快調で、ジョシュ・ホーキンソンや河村が3ポイントシュートを次々と沈めるなど攻撃の手を緩めず、双方譲らぬシーソーゲームが続く。
そして劇的な展開を見せたのが第4クオーター。日本の大黒柱・八村が残り8分31秒で2度目の「アンスポーツマンライクファウル」を取られ退場となってしまう。八村を失い危機を迎えた日本だが、そこで気を吐いたのが終盤の粘りと爆発力を武器とする司令塔・河村。3ポイントシュートから2点のレイアップシュート、さらにはファウルを受けてのフリースローなど多彩な得点を次々と重ねフランスとのデッドヒートを率先する。
そして残り時間50秒でフランスの得点で80-80の同点となった後、河村が次々と得点を稼ぎ、試合終了まで残り16秒で84-80の4点リードに。このまま日本の勝利で終了するかに思われたが土壇場でフランスが反撃し、残り10秒で84-84の同点となり第4クオーターが終了。5分間の延長戦に突入する。
延長戦では、死闘の末体力も使い果たしている日本がフランスにリードを許し、残り6秒で、第4クオーター最終盤と真反対の、フランス4点リードとなり日本は最後の逆転劇に望みを託したが、得点ならず、90-94での惜敗となった。
男子代表52年ぶりの快挙お預け 8月2日運命のブラジル戦へ
オリンピックでバスケ男子日本が試合を行なって勝利するのは、1972年のミュンヘン五輪以来、実に52年ぶりの快挙となるはずだったが、お預けとなった。
予選リーググループBでドイツ、フランスと戦い2敗に追い込まれた日本。決勝トーナメントには各グループの上位2チームと、3位のうちの上位2チームの計8チームが進出するが、日本は8月2日に行われるブラジル戦に最後の望みを繋ぐ。
フジテレビ系では8月2日(金)17時45分から、運命の日本ーブラジル戦を生中継で放送する予定。