2022年から岡山・総社市で生活していたウクライナ避難民の女性が、県外へ引っ越すことになった。理由は日本人男性との結婚。そしてもう1つ、「ウクライナの文化を伝えたい」という目標のためだった。

臨時職員として働く中での出会い

総社市役所を訪れ、片岡市長に別れの挨拶を告げたのは、ウクライナ避難民のアロナ・チジェンコさん(34)。

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「徳島県美馬市に移ります。5月23日に私たちは結婚しました」と、引っ越しの理由を片岡市長に伝えた。片岡市長は、「コングラチュレーション!おめでとうございます」と彼女の門出を祝福した。

アロナさんは、ウクライナの首都・キーウ出身で、ロシアの軍事侵攻をうけて、2022年8月に総社市へやってきた。

市役所の臨時職員として約1年間働き、市内の学校での講演や、得意の美術分野でウクライナの文化を紹介する活動などを行ってきた。

そんな中、2023年5月に徳島県在住のプログラマー・矢野亮さん(42)と出会った。

アロナさんは、矢野さんと一緒に日本各地や世界を旅して、「ウクライナの映画や音楽や本、アートなどを紹介したい」という夢を見つけた。

母国の文化を伝えたい!徳島で挑戦

アロナさんの目標は、ウクライナの文化を伝える施設を作ること。

「戦争だけでなく、ウクライナの文化の楽しい部分を共有したい」という思いから、「ウクライナの文化施設を作る場所を探していた」と語った。

結婚の準備と並行して、徳島・美馬市に施設のための理想の物件を見つけ、5月31日に総社市を転出することになった。

「ワクワクすると同時に不安もある。間違いや十分なサポートを得られるか不安」と話す彼女だが、それでも「やりたい気持ちの方が強い」と意気込んだ。

アロナさんは結婚後も総社市でワークショップを開催するなどして、友人とのつながりを持ち続けたいと話す。

岡山県によると、アロナさんの転出により、県内のウクライナ避難民は7世帯9人となった。

アロナさんが計画している施設は、5階建てのビルで、ウクライナの伝統文化や、現代アート、映画や本を紹介する予定だという。

(岡山放送)

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