※前半から続く―。

2000年代で9度の日本一。12球団最多を誇るホークス。

“常勝軍団”福岡ソフトバンクホークス
“常勝軍団”福岡ソフトバンクホークス
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その栄光の数々で彩られた『みずほPayPayドーム』の選手通路。球団の歴史が纏められたエリアだ。このなかに、ひと際、異彩を放つトピックがある。

それは1996年5月9日に発生した『生卵事件』だ。

「生卵を投げた…」ファン歴は52年

取材班は、さまざまな伝手を頼りに大阪へと向かった。

そして今から30年前、当時、生卵を投げた1人、Sさんを見つけ出したのだ。

「ホークスが、大阪にあったことをもっと広く知って欲しい」とインタビューに応じてくれたSさん。重い口を開いてくれた。

ホークスのファン歴が52年になるSさん。関西で開催されるホークスの試合はもちろん、全国各地の応援に駆け付ける生粋のホークスファンだ。

「ホークスファンになったきっかけは、親父の影響だった。気が付けば自分のなかに“緑の南海ホークス”があった。学校へ行くカバンの中に入っていたのは、教科書ではなく、南海のユニホームとメガホンだけ」

1989年。まさに“青天の霹靂”だったホークスの福岡移転。Sさんの驚きは大変なものだった。

「どういうこと?じゃ、明日からどうすればいいんやろ。みたいな気持ちだった。大阪から福岡に行って、何か変わるのかという期待感もあるなかで、チームは情けない結果が続いていた。だから、ある意味“喝”をいれるというか、そんな気持ちだった。生卵を投げているときの心境は、もうとにかく、寂しいのもあるし、悔しいのも、腹立つのもあった」

そして30年たった今、ホークスは常勝軍団となった。

「いま、ここまで強くなれたことには、感謝している。ありがとうと言いたい。だから正直に言うと、余りあのことを思い出したくない。それはある…」

「目を背けたくなる出来事だったが…」

Sさんのインタビューを聞いた城島CBOは「許せるかというと。許せない。でも勝たないとファンは納得してくれないということを選手たちは感じたと思う」と語った。

“常勝軍団”ホークス。その黄金時代の夜明け前に起きた『黒歴史』。勝利を宿命づけられたチームが経験した、忘れてはならない暗黒期の屈辱。

「30年前に、こういうことが起こったチームで、その弱かったチームが、優勝回数もたくさん増えて、お客さんもたくさん入るようになった。でも油断しているとまた起きるかもしれない。目を背けたくなる出来事だったけれど、メッセージ性がある大きな出来事でもあった」(城島健司CBO)

30年前の5月9日。プライドを汚されながら、勝たなければならない理由も刻み込まれた1日だった。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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