桃や梨などに被害を及ぼす「果樹カメムシ類」が大量発生しているとして、兵庫県は2日、県内全域に注意報を出した。
■フェロモンでおびき寄せ数を計測
この記事の画像(5枚)兵庫県病害虫防除所は朝来市、加西市、南あわじ市で、フェロモンでおびき寄せたカメムシの数を計測している。
■おととしの31倍「904匹」 加西市で計測
その結果、どの地点でもチャバネアオカメムシが例年よりも多く確認されていて、加西市では4月合計でおととしの同時期の31倍にあたる904匹が計測された。
■「クサギ」も「ツヤアオ」も増加
ほかにも、朝来市でクサギカメムシが59匹(過去5年の最高値は11匹)、南あわじ市でツヤアオカメムシが79匹(過去3年の最高値は1匹)確認されたということだ。(※いずれも4月の合計値)
■ことしは「表年」夏にかけてさらに増加の予想
一般的に「果樹カメムシ類」の発生量は隔年周期となっていて、ことしは発生の多い「表年」だ。
昨シーズンの冬は暖かったため、去年秋に大量発生したカメムシのうち、例年より多くの個体が冬を越えたとみられている。さらに、冬を越えたカメムシが例年に比べて早く活動していて、気温が高まる夏にかけてさらに増加すると予想されるため、兵庫県は農家に対して早めの対策を呼び掛けている。
■「例年では見られない量」
「果樹カメムシ類」の注意報が出されるのは、2022年8月以来のことで、兵庫県病害虫防除所の担当者は、「大量発生したおととしをすでに上回っていて、例年では見られない量が発生している」と危機感を強めている。
(関西テレビ 2024年5月2日)