大阪府の吉村洋文知事が、大阪維新の会の代表として述べたいわゆる「玉川出禁発言」で、謝罪し、発言を撤回したことについて、テレビ番組に出演した橋下徹氏が「謝罪・撤回ということで良かった」と話した上で、「権力を使って“出禁”にするような発言は、絶対にやるべきではない」と述べた。
■「権力を使った出禁発言は絶対にダメ」と橋下氏
この記事の画像(6枚)過去に大阪府知事や大阪維新の会の代表を務めるなど、吉村氏のいわば先輩格である橋下徹氏。4月11日に関西テレビの「旬感LIVE とれたてっ!」に出演し、次のように話した。
橋下徹氏:自分なりに考えて、謝罪撤回ということで良かったと思います。撤回謝罪したから全てが許されるというわけではないかもしれませんが、ちゃんと間違ったということで、今回謝罪撤回したわけですから。万博については、賛否両論色々ありますよ。これは意見としてね、僕もいろいろ吉村さんに『これはマズいな』って言いましたけど、僕は『アホ・ボケ・カス』とか言っていたわけじゃないですか、ただ、僕なりに『アホ・ボケ・カス』と、やっぱり『権力を使って出禁にする』っていうのは、ちょっと質が違ってね。『権力を使う』というような批判の仕方っていうのは、これはやっぱり絶対にやるべきではない。
橋下徹氏は、このように自身が使ってきた『アホ・ボケ・カス』といった発言と『出禁』という発言は、『権力を用いる批判』という点で質が異なるとする持論を展開したものの、最後に…
橋下徹氏:『アホ・ボケ・カス』って言うのと、『出禁』って言うのは、どっちが悪いんだろうね?両方悪いのかな。
さらに…
橋下徹氏:まぁ玉川さんが、そんだけ『反対反対』っていうんだったら、僕いくらでも議論してもいいんだけど、そういう場を与えてくれないからね。
と玉川氏と議論したいとする意向を示した。
■大阪維新の会のタウンミーティングで「出禁」発言
吉村氏は、3月に大阪府茨木市で開かれた大阪維新の会のタウンミーティングで、大阪・関西万博や、会場予定地で建設中の「リング」について、「今批判している、名前言いませんけど、“モーニングショーの玉川徹”。今批判するのはいいけど、入れさせんとこかと。入れさしてくれと、これ見たいって言っても、モーニングショーは禁止。玉川徹は禁止って言ったろかなと」と発言していた。万博に関する話題で、吉村氏がテレビ番組でコメンテーターを務める玉川徹氏を名指しし、「入れさせない」などと発言したことで、批判の声が高まっていた。
■「僕が間違っていた」と謝罪 「意図は変わっていない」とも強調
吉村氏は、10日の会見で「僕自身の玉川さんに対する発言についてですけど、振り返って考えて、これはいくら政治集会の場であったとしても言い過ぎたと思います。僕が間違っていたと思います。この点については撤回して玉川さんに謝罪を申し上げます。やはりいわゆる出禁の権限はないにしても、万博を積み上げていく作っていく立場でもありますし、例えば政治集会とはいえ、やはりここは不適切な発言だと間違っていた発言だという風に思います」と話し、出禁発言を撤回し、玉川氏に謝罪した。
しかし、「放送機関としてやる以上は賛否もある程度は公平に論じていただきたという思いです。これは変わっていません」と述べ、放送において万博を取り上げる中で、賛否両論を取り上げてほしいという発言の意図は変わっていないと表明した。
■「マズいと思っていた」と橋下氏
橋下氏は、テレビ番組内で「今回の吉村さんはマズいな。自分の力があるようなものを持って、行動を制限する『出禁』とかはマズいと思っていた」と、1週間前に放送された同番組で苦言を呈していた。
■「大阪ジョーク」という認識 維新・馬場代表
また、日本維新の会の馬場伸幸代表は11日、記者団に「私としてはジョークの範疇と思うが、本人が撤回ならそれでいいんじゃないか」として、国政政党の代表として吉村氏の「出禁発言」は「大阪ジョーク」という認識は変わらないとする考えを示した。
馬場代表は、「玉川出禁」発言について今月1日、X(旧ツイッター)に「イッツ・ア 大阪ジョーク。わからんかな?」と投稿していた。