今、SNSで北朝鮮の観光をPRする“謎の金髪女性”が話題となっている。
彼女はいったい何者なのか。「イット！」は直撃インタビューを試み、投稿を巡る真相を聞いた。
軍事境界線でも撮影…兵士にインタビューも？
ゾーイさん：
さぁ平壌でランチタイムです。玉流館という平壌冷麺の有名なレストランに来ました。それでは中に行ってみましょう。
「ゾーイ」と名乗るこの女性はイギリス人で、年齢は30歳。
彼女のSNSは4万人以上がフォローしている。
投稿した動画を見てみると、平壌にある有名レストランでは冷麺を食べ、朝鮮語で“食リポ”をしていた。
ゾーイさん：
うん！マシッスムニダ（おいしいです）。
他の動画では、金日成広場までのんびりと散歩をする場面も。
ゾーイさん：
外国人を見かけた地元市民から注目を浴びています。ハロー。
これまでに投稿した動画や写真は全部で約750本。動画の全てに英語を使用していた。
内容は、ぐずって父親を困らせる女の子や、若い男女が楽しそうに釣りをする様子など、北朝鮮の人たちの生活そのもの。
さらに、撮影は南北の軍事境界線がある板門店でも行われていた。
ゾーイさん：
この場所は、世界で一番怖くて危険な境界線として知られています。私はそうは思いません。軍の人はとても親切で楽しい人です。
兵士に対してもためらうことなくインタビューし、相手もそれに応じていた。
ゾーイさん：
仕事は楽しいですか？
軍人：
我が国を守る仕事ができて大変光栄です。
こうした動画に対して、SNSでは「北朝鮮のプロパガンダだから信用できない」「北朝鮮は彼女にいくら払っているの？」等、怪しむ声も挙がっている。
「北朝鮮とは何の関係もない」
この女性は、果たして何者なのだろうか。
「イット！」は彼女を直撃し、なぜ朝鮮の動画を投稿しているのか聞いた。
ゾーイさん：
私が興味を持ったのは、北朝鮮の人々の日常生活だった。
最初は危険だというイメージでした。市民のありのままの姿を見せたかったのです。
新型コロナで境界線が閉鎖される前まで、ツアーガイドとして何度も北朝鮮を訪れていたというゾーイさん。
現在は別のところに住み、過去に撮影した映像などの投稿を続けているという。
これまでに30回ほど北朝鮮を訪れていて、「早く北朝鮮に戻りたい」と話しているゾーイさんだが、場合によっては写真撮影が厳しく制限される北朝鮮で、他の外国人よりも自由に撮影ができているのはなぜなのだろうか。
ゾーイさん：
北朝鮮とは何も関係はありません。
私のコンテンツは誰も検閲していません、自由です。北朝鮮の一面しか見せていないということを知ってほしい。
北朝鮮のSNS動画を巡っては、高級スキーリゾートを巡るツアーの広告塔として、ロシア人女性が登場したこともある。
専門家は、こうした動画は「北朝鮮は怖くないと印象付けるためのプロパガンダだ」と指摘する。
龍谷大学・李相哲教授：
100％（北朝鮮）当局の支援と協力なしには（このような動画の撮影は）不可能。
北朝鮮当局が、そのようなインフルエンサーを利用している。両者が結託してると言っていいですよ。
（「イット！」4月5日放送分より）
