元力士による暴力問題で、閉鎖の危機に直面した元横綱・白鵬の宮城野部屋。日本相撲協会は理事会を開催、親方と力士全員が伊勢ケ濱部屋へ転籍するという結果になった。 

日本相撲協会が宮城野部屋の処遇決定

元力士による暴力問題で、閉鎖の危機に立たされる元横綱・白鵬の宮城野部屋。
きょう東京墨田区にある部屋は、人の出入りはなく静まり返っていた。

日本相撲協会は、さきほど東京都内で理事会を開催。元幕内・北青鵬による暴力問題で、元横綱・白鵬の宮城野親方の部屋の処遇を決定した。

宮城野親方:(2月23日)
申し訳ない気持ちでいっぱいです。どうもすいませんでした。

北青鵬:(2月23日)
このたびは、部屋の弟弟子に暴力を振るってしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ございませんでした。

北青鵬は2022年7月、後輩力士の顔面を平手打ちしたり、突き飛ばす暴行を複数回加え、肘にけがをさせたほか、別の後輩力士の尻をほうきの柄で打つなど暴行。

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さらに殺虫剤スプレーに火をつけて体に近づけるなどの暴行を繰り返したという。

また、2023年11月には後輩力士の指に瞬間接着剤を塗るなど、1年以上にわたって、暴行を繰り返していた。

日本相撲協会のコンプライアンス委員会
「北青鵬の暴行は(弟弟子が)痛がる反応を見て面白がっていたと認められ、暴行の動機の面においても卑劣極まりない」

北青鵬は、引退届を提出。そして27日に引退が発表された。

SNS上にはさまざまな声が…

宮城野親方と同じモンゴル出身の北青鵬。11年前の2013年にはこのような夢を語っていた。

北青鵬:(当時小6)
将来の夢は横綱になって、相撲を見る人を笑顔にさせる。

一方、師匠の元横綱・白鵬の宮城野親方も、弟子の暴力行為を知りながら報告を怠ったとして、「2階級の降格」と3カ月の20%減俸とする処分を下されている。

宮城野親方:(2月23日)
このたびは弟子の北青鵬は弟弟子に暴力を振るった。そして弟子を守ることができなかった私がその責任を重く受け止めております。

相撲界ではこれまでも暴力問題が起きているが、部屋が“閉鎖”になることはなかった。
ネット上では、宮城野部屋の閉鎖に反対する“オンライン署名”が展開され、相撲ファンなどからの署名はこれまでに1万人を超えている。

またSNSでは「閉鎖にすべき」との声がある一方で、「宮城野部屋の閉鎖に反対します」「何で白鵬だけこんな目にあうのか…」といった声もあった。

こうした中、日本相撲協会はさきほど処遇を決定し、宮城野親方と所属する約20人の力士らを同じ一門の伊勢ケ濱部屋に転籍することを決めた。

現役時代、史上最多の優勝を果たした元横綱・白鵬の宮城野部屋の“出直し”。
宮城野部屋の地元では、「あの人(北青鵬)は感じがすごくいい」「すごく丁寧な言葉で優しいし寂しいよね」「自業自得でしょうがないというのもあって、今になると寂しい」といった悲しみの声が上がっている。
(「イット!」 3月28日放送より)