長年、ドライバーから愛されてきた岡山・瀬戸内市長船町にあるドライブイン、「おさふねサービスエリア」が建て替えのため5月で閉館することになる。施設は別れを惜しむ人でにぎわっている。

60年の歴史を利用者とともに振り返る

瀬戸内市長船町の国道2号沿いにあるドライブイン「おさふねサービスエリア」には、レストランや温泉施設などが入っている。

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レストランの一角には列車の食堂車をイメージして作られたスペースがあり、全長18メートルの新幹線ジオラマが設置されている。

窓からは模型と一緒に“本物の新幹線”も眺めることができる
窓からは模型と一緒に“本物の新幹線”も眺めることができる

施設の最大の特徴は、模型と本物の新幹線を同時に眺めながら食事を楽しめること。子供たちや鉄道ファンが数多く訪れた。

「おさふねサービスエリア」は1964年4月、全国で2番目に誕生したドライブインで国道2号の利用者や地元の人たちから親しまれてきた。

2024年で開業60年、施設の老朽化にともなう建て替えが決まり、2024年5月6日で閉館する。3月から60年に及ぶ歴史を利用者とともに振り返るイベントが行われている。

瀬戸大橋や県道「岡山ブルーライン(旧:岡山ブルーハイウェイ)」の開通などにより、観光需要が最も高まったのは1980年代。おさふねサービスエリアの松岡店長は、「地域がとてもにぎわい、客が多く来店した」と話す。

レストランでは、当時の人気メニューを復刻メニューとして提供していて、大きめ野菜がたっぷり入り、当時のスタイルで再現されているビーフカレーが人気を集めている。

施設の閉館について利用者からは、「以前はバイキングがあって、孫を連れてよく来ていた。(閉館は)寂しい」と悲しむ声も聞かれたが、「どういう店ができるか楽しみもある」と話す人も。

おさふねサービスエリア・松岡昌範店長:
今よりいいものを作りたい。地域に愛される地域密着の店にしたい

現在の建物での最後の営業日は、ゴールデンウイーク中の5月6日。リニューアルの詳細はまだ決まっていないが、2026年中のリニューアルオープンを目指す。

おさふねサービスエリアの近くには、鉄道ファンらから山陽新幹線の撮影スポットとして親しまれている「吉井川橋梁」がある。レストランを利用すれば、屋上から高速で駆け抜ける新幹線を楽しめる。今の建物から新幹線の眺めを楽しめるのも、あとわずかとなりそうだ。

(岡山放送)

岡山放送
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