2024年4月に山形・新庄市に開学する「東北農林専門職大学」の学生と教職員のアパートが、舟形町に完成した。開学は町を活気づかせる絶好のチャンス。「隣町」の戦略が実を結びつつある。

早々に「定住」と「移住」の土台作り

一期生40人を迎え、4月8日に開学する新庄市の東北農林専門職大学。舟形町の森富広町長肝いりのアパート建設は、2023年7月に着工した。

4月8日に開学「東北農林専門職大学」
4月8日に開学「東北農林専門職大学」
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アパートまでは車で8分、距離にして7km。キャンパスに近い立地を生かして、どこよりも早くアパート建設に着目し、行動に移したのが舟形町だ。

3年前、早々と宅地を造成し、2023年5月には建設と運営を担う住宅メーカーを選定するなど、学生の「定住」と教職員の「移住」を進める土台を作り上げた。

舟形町・森富広町長:
人口が増える可能性は一つできた。そのチャンスを生かさなければならない

新庄市長からは「恨み節」

学生向けの10部屋と、教職員向けの8部屋はすぐに予約で埋まった。町の緻密な戦略と動き出しの速さに、森町長3期目の事務所開きではこんな「恨み節」があった。

新庄市・山科朝則市長:
町長に文句がある(笑)。舟形町が先行して住まいを作ってしまい、「新庄市、何やってる」と言われる。神山学長に住まいのことを聞いたら「舟形町民になります!」と…、大学が新庄にできるんだから困りますと。これはやられたなと

生活に必要な家具などは一通り用意されている
生活に必要な家具などは一通り用意されている

アパートには、生活できる一式は一通りそろっているといい、内覧した関係者も「お~すごい!これぐらい広いと良い」と感嘆の声を漏らしていた。

「大学で生まれた技術が地域の発展に」

至れり尽くせりの居住空間だが、“建てて終わり”ではない。スクールバスの無料送迎や卒業後の就農支援策も計画。それらをすべて、学生の「定住」につなげる考えだ。

最上地域の発展を期待
最上地域の発展を期待

森富広町長は、大学が生み出す新しい農業・栽培・加工技術は、舟形町が求めるものだといい、「活用すれば、最上地域が発展できると確信している」と意気込んでいる。

舟形町は、アパートを2026年度までに5棟へ増やす計画を立てていて、新入生の受け入れ戦略は今後さらに加速していく。

(さくらんぼテレビ)

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