連続企業爆破事件の重要指名手配犯・桐島聡容疑者を名乗る男が現れたのに続き、拳銃で男性の脇腹を撃った殺人未遂容疑で手配されていた重要指名手配犯・金成行容疑者が逮捕された。重要指名手配犯による2つの事件が、立て続けに大きく動いた形だ。
この記事の画像(6枚)警察庁が指定する重要指名手配犯は、死亡した「名乗り出た男」とのDNA鑑定が行われている桐島容疑者を含めて13人。私たちの暮らしのすぐそばに、凶悪犯が潜んでいるかもしれない。
金属バットで男性殺害…見立真一容疑者(44)
短髪で鋭い目つきにややとがった耳、唇の左上にはほくろがある。特徴的な男の顔を、交番や駅で目にした人も多いだろう。
見立真一(みたて・しんいち44)容疑者は2012年9月に東京・六本木のクラブで、男性が金属バットで殴られるなどして殺害された事件の主犯格とみられている。
この日現場となったクラブには、被害者である31歳の男性が入店していたが、店の外には、暴走族グループ・関東連合の元メンバーら約10人集まっていた。元メンバーは目出し帽を被り、金属バットで武装し店の裏の非常口から侵入。被害者の男性を10人がかりで金属バットで殴打して殺害し、裏口から逃走した。店の近くにはワゴン車が止められていて、犯行グループは逃走した。
警視庁はワゴン車に乗り込むグループの映像を公開するなど捜査を進め、犯行グループを特定した。そのなかで、グループは対立するグループの人物を襲撃したつもりで被害者の男性を襲ったが、実は全くの人違いで、無関係の被害者を殺害していた事がわかった。
そして、襲撃メンバーを集め、襲撃を指揮した「主犯格」が見立容疑者であると特定したのだ。
当時見立容疑者は、現場近くで開かれていた仲間の誕生パーティーに参加していて、「対立グループのメンバーがクラブにいる」との報告を受けた後、襲撃のためのメンバーを集めたとみられている。
見立容疑者は、事件から2カ月ほど経過した2012年11月、フィリピンに入国している。それ以降、行方が分かっていない。この事件に関与した10人以上のメンバーのうち、現在も逃走しているのは見立容疑者ただ一人だ。
警視庁はICPO・国際刑事警察機構を通じて国際手配している。
国内潜伏の可能性も
警視庁によると、見立容疑者は1979年3月16日生まれの44歳。身長167センチくらいで体格はがっちり。右の前腕と左目の上、前頭部。額に傷跡があるという。
事件直後にフィリピンに逃亡しているが、警視庁は「既に、日本に帰国し国内に潜伏している可能性も十分考えられます」としている。
また、予想される立ち回り先としては、東京都内、静岡県内、埼玉県内及び宮城県内が考えられるという。
また逮捕に繋がる情報を提供した人には、捜査特別報奨金が上限額300万円、「六本木五丁目雑居ビル飲食店内殺人事件の捜査に協力する会懸賞金」が上限額300万円の合計上限600万円が支払われる。
【情報提供先】
警視庁 麻布警察署「六本木五丁目雑居ビル飲食店内殺人事件特別捜査本部」
警察署代表 電話:03-3479-0110