雪深い秋田・美郷町で、降り積もった雪を思わせながらもあったか~い不思議な食べ物と、温暖な地域で栽培されるブレークタイムに欠かせない飲み物を発見。体も心も温まること間違いなしだ。

「白いカレーうどん」新たな名物に?

奥羽山脈と出羽山地に囲まれた美郷町。自然豊かで、町のあちらこちらから湧き出る清水は「日本名水百選」に選ばれている。

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町の風物詩は、国の重要無形民俗文化財「六郷のカマクラ」。クライマックスの「竹うち」は、若衆が長い竹の棒を激しく打ち合い、厳しい寒さを吹き飛ばす。

冬の美郷町を熱くするのは、これだけではない。
雪が降り、寒さがますます厳しくなる今、町内の飲食店では心も体も温まる、ちょっと変わった極上の一杯が楽しめる。

「ニテコ名水庵kuraカフェ」は、大正時代に建てられた蔵を改装していて、どこか懐かしさが漂っている。店では、町で作られた食材や湧き水を使った料理を提供していて、町の内外から多くの人が訪れる。

「ニテコ名水庵kuraカフェ」の「白いカレーうどん」
「ニテコ名水庵kuraカフェ」の「白いカレーうどん」

2023年11月に提供を始めて話題になっているのが、雪が積もったような見た目の「白いカレーうどん」だ。見た目のインパクトは抜群で、もちろん食感と味にもこだわっている。

「ニテコ名水庵kuraカフェ」の髙橋舞子さん
「ニテコ名水庵kuraカフェ」の髙橋舞子さん

ニテコ名水庵kuraカフェ・髙橋舞子さん:
クリームがやわらかいとすぐに溶けてしまうので、最後まで味わってほしいと思い、ちょうど良い硬さになるよう試行錯誤した。初めて見た人は一度びっくりして笑うが、その後「すごくおいしい!」と食べてくれる

「白いカレーうどん」には、ガラムマサラやコリアンダーなど5種類のスパイスが付いているので“味変”も楽しめる。カレー自体は、子どもでもおいしく食べられるよう甘口になっているため、よりカレーの風味を楽しみたい人はスパイスを足すのがおすすめだ。

クリームの正体は「企業秘密」
クリームの正体は「企業秘密」

佐藤愛純アナウンサー:
上のクリームがふわふわしていて、やさしい味。野菜のような自然な甘さがあって、スパイシーなカレーと混ざり合うととってもまろやかな味わいになります

気になるクリームの正体は、町で作られた“ある野菜”だというが、何の野菜かは「企業秘密」とのこと。

これまでにない不思議な見た目と優しい味わいが癖になり、リピーターも多いという「白いカレーうどん」。新たな冬の名物になるかもしれない。

「ニテコ名水庵kuraカフェ」の髙橋舞子さん
「ニテコ名水庵kuraカフェ」の髙橋舞子さん

ニテコ名水庵kuraカフェ・髙橋舞子さん:
美郷町産のコメや野菜をふんだんに使っているので、美郷町を感じてもらえたらと思う。寒い冬を当店で温まってもらいたい

美郷町産「雪国コーヒー」

同じく美郷町にある「コムニタみさと」で提供している「雪国コーヒー」は、収穫から焙煎(ばいせん)まで、すべて秋田県内で行っている。品種は、国産としては珍しい「ティピカ種」だ。

美郷町産「雪国コーヒー」
美郷町産「雪国コーヒー」

栽培しているのは秋田食産で、2019年から温暖な地域で栽培される果物やコーヒーを生産している。コーヒーはどのように育っているのか、ハウスを見学した。

収穫時期について話す 秋田食産・佐藤良一さん
収穫時期について話す 秋田食産・佐藤良一さん

佐藤愛純アナウンサー:
コーヒーの木がびっしり

秋田食産・佐藤良一代表取締役:
実がついている所もある。もう3カ月後くらいに収穫できる

コーヒー栽培の適温とされる温度は15~33度。このため、寒い地域での栽培は難しいとされているが、メンテナンスを徹底して雪国のハンディを克服。木も寒さに慣れ、秋田の気候にあった栽培方法を確立した。多い時には、1年に約350kgも収穫できるようになった。

秋田食産・佐藤良一さん
秋田食産・佐藤良一さん

秋田食産・佐藤良一代表取締役:
落ちた豆から芽が出て育ってくる。最初の植え付けは56本だったと思う。今は大体100本くらい植えられている

栽培に使うのは、もちろん美郷の清水。良い土壌づくりにつながっている。
タイミングが合えば、コーヒー豆の収穫が体験できる。

秋田食産・佐藤良一さん
秋田食産・佐藤良一さん

秋田食産・佐藤良一代表取締役:
秋田は農業県だが、なかなか稲作以外に広がらないので、こういうものでも収益が上がれば農業として成立するんじゃないかと思って、南国の作物を育ててみた。まだ実験段階だが。「あほうか」と言われる。でも面白い。どうせやるなら面白い方が良いと思う

国産コーヒーの生産量拡大と安定栽培を軌道に乗せることを目標としている秋田食産。一緒に栽培する仲間も増やしたいという。

雪国育ちの「雪国コーヒー」は、紅茶のような香りとベリーのような甘さがある上品な味わいで、農薬を使わずに育てられている。自家焙煎珈琲専門店「アメヤ珈琲」で購入できるという。

雪国・秋田の美郷町でホットな冬を過ごしてみてはいかがだろうか。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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