石川県能登町では、2020年の熊本豪雨で被災した住職の男性がボランティア活動を行っている。当時、熊本には石川から多くの支援物資が届いた。男性は少しでも「恩返ししたい」と最前線で頑張っている医療従事者などを支援している。
「恩返し」のボランティア
能登町の宇出津(うしつ)総合病院。医療従事者や病院の利用者に炊き出しの弁当を配る男性、岩崎哲秀(いわさきてっしゅう)さん。
岩崎さんは熊本県球磨村(くまむら)の神照寺(しんしょうじ)で住職を務めている。
この記事の画像(7枚)2020年の熊本豪雨では石川県から村へ多くの支援物資が届いた。
ボランティアはその「恩返し」。
岩崎哲秀さん:
「(熊本豪雨では)石川県をはじめとする多くの方々に支援していただいて、僕にできることがあればと思って、こちらまでやってきました。病院であったり役場であったり、最前線で頑張ってらっしゃる方を後押しする支援ができれば、ということで活動させて頂いています」
職員も被災…支援に感謝
宇出津総合病院では、現在も建物の一部で断水が続き、透析や手術を停止。
外来診療も小児科と精神科のみに制限している。そして、多くの職員が被災者。
医療従事者:
「あったかくてすごく嬉しいです。ありがとうございます。マンパワーとか機械も少ない中なので大変ではあります」
宇出津総合病院・長谷川啓院長:
「職員の家とかも被災している中で皆さん頑張って、だいたい1日に1回の小さいおにぎりとみそ汁というような食事がかなりの期間続いて。こうしたボランティアの方の支援というのは、非常にうれしく思っております」
僕らもどん底に…必ず何とかなる
岩崎さんがその後回ったのは、能登町小木(おぎ)地区。
自宅で避難を続ける住民に米や野菜など支援物資を配るためだ。
岩崎哲秀さん:
「困っても支援を受けられない地域があるというのを知っているので、下支えさせていただければなと考えています。僕らもどん底の底まで落とされたのでわかりますけど、それでも必ず何とかなると思うので、本当に先を見ずに足元だけ見て今をやり抜いて、やり過ごしてほしいと思います」
被災者だからわかる支援のありがたみー。
「恩返し」はこれからも続く。
(石川テレビ)