人目につきにくくその中なら何をするのも自由な、自分だけの空間。今、そんなこだわりの“秘密基地”をクローゼットの中に作っていた父親の、ちょっと悲しい報告がX(旧Twitter)で話題になっている。

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父親が欲しかった押入れの秘密基地

このようなコメントとともに3枚の写真を投稿したのは、「エンジニアの猫」(@neco_engineer)さん。小学6年生と3年生の姉妹の父親だというエンジニアの猫さんは、2019年11月に自室のクローゼットを“秘密基地”に改造したそう。

1枚目の写真に写っているのは、そんなこだわりの秘密基地の様子。

クローゼットの扉を開けると、そこにはスペースいっぱいにこたつが置かれている。かごに盛られたみかんも用意され、これだけでもリラックスできそうな空間だが、他にもパソコンやゲーム機などが持ち込まれている。

しかし、続く2枚目の写真には…。

2時間後(見つかる)

どうやら、秘密基地を作ったわずか2時間後には、娘さんたちに見つかってしまったよう。
こたつの中にはエンジニアの猫さんではなく娘さんたちが座り、ゲームを楽しんでいる。

さらに、3枚目の写真には…。

4年後(奪われる)

時が経ち、2024年の様子。娘さんたちに“奪われて”しまった秘密基地は、クローゼットからはみ出して、部屋の中まで広がっていた。

こたつに続くような形でローテーブルとクッションが設置されて、新しく運び込まれた小型のディスプレイやタブレットなどを前に、成長した娘さんたちがくつろいでいる。

お父さんの“癒し”のスペースが、たちまち娘さんの遊びスペースになってしまった、ちょっと切なくもほほえましい報告。

この投稿には「見つかるまでが早すぎて草」「もはや秘密ではない基地だ!」などのコメントが寄せられ、19万件を超える「いいね」がついている(1月19日現在)。

“パパっ子”な娘さんたちから離れる空間を作ったはずが…

しかし今、秘密基地を追われてしまったお父さんの居場所はどこにあるの?もしかして、新しい秘密基地がすでに作られていたりする?エンジニアの猫さんにお話を聞いてみた。


――娘さんたちはどんな子?

長女…小学6年生、小心者で真面目、ゲーム好き。
次女…小学2年生、豪快で破天荒、ゲーム好き。


――秘密基地を“奪われてしまった”のは、これが初めて?

2019年前以前にも部屋の中に間仕切りをして秘密基地を作ったりはしてましたが、ことごとく娘たちに奪われていました。


――そもそも、部屋の中に秘密基地を作ったのはなぜ?

娘たちがどちらもパパっ子なのもあって、どこに行ってもついてくるので、ふと一人になれる空間が欲しくなったのが動機です。

エンジニアという職業柄、オンラインワークなので、仕事にも趣味(ゲームや映画鑑賞など)にも没頭できる空間にしようと思っていました。

こたつの中から見た秘密基地の様子。薄暗さもリラックスできそう
こたつの中から見た秘密基地の様子。薄暗さもリラックスできそう

――では、秘密基地は完全に「秘密」にするつもりだった?

当初から「秘密基地」ということにしていましたけど、そのうちバレるだろうとは予想はしてましたw 一週間くらいしてから種明かししてびっくりさせてあげようくらいに当時は思ってましたね。


――基地が見つかってしまった経緯は?

(私の部屋に)「こたつがない!」と次女が気づいたことがきっかけだったと記憶しています。 そこから宝探しタイムが開始され、気づけば場所は奪われてしまいました。

新しい秘密基地の計画が進行中?

――娘さんたちはお父さんの秘密基地を気に入っている?

とても気に入っているというか、あの子たち、ここを自分の部屋だと勘違いしてる節すらありますね。入り浸ってます。毎日私の仕事が終わったタイミングを見計らって入ってきますね。

そういった事情から、もはやここ4年はクローゼットの扉が閉まったことはありません。

改めて、ビフォーアフターの図。すっかり姉妹の空間に…
改めて、ビフォーアフターの図。すっかり姉妹の空間に…

――改めて、こだわりの秘密基地が娘さんたちのものになってしまったことについて…

悲しい気持ち、諦めの気持ち、それからほんのちょっぴりの嬉しさがあります。


――今、お父さんの居場所はどこにあるの?

現在、私が使っている秘密基地はありません。が、現在新たな秘密基地を作る計画が進行中です。候補場所は娘たちの部屋についている大き目のクローゼットです。現在娘たちと部屋の交代を交渉中です。

現在、新たな秘密基地を作る計画はあるものの「部屋を交換してもらう」という、娘さんたちの協力なしでは進まないそうで、そんなところにも笑ってしまう。

果たして、お父さんが自分だけの秘密基地を手にすることはできるのだろうか。見守りたくなってしまう可愛い“親子の戦い”だった。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。