2024年1月に閉店することが決まっている島根・松江市の「一畑百貨店」。県内唯一のデパートの思い出を多くの人にとどめてもらおうと、オリジナルのトートバッグが発売された。
デザインを手がけたのは、地元出身の有名デザイナー。誕生のきっかけは“郷土愛”だった。

「一畑」デザインがトートになった!

11月30日、閉店まで45日となった島根県内唯一のデパート「一畑百貨店」の店内で、「特製トートバッグ」の販売が始まった。

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デザインは2種類、モチーフになっているのは、「県の花・ボタン」があしらわれたギフト用包装紙と、3色のラインが並ぶかつてのショッピングバッグだ。いずれも長年親しんできた、市民にとってなじみのある「一畑」を象徴するデザインで、そのまま布製のトートバッグになった。

価格は1つ1,650円で、それぞれ100個ずつ、限定販売された。

購入した人は「やっぱり『一畑』といえば、あの包装紙ですよね。大事に取っておくつもりですけど、いつかひょっと皆さんに見せてあげたい」とうれしそうに話した。

地元出身デザイナーが“思い出グッズ”

実はこの特製トートバッグ、松江市出身のデザイナー・藤田宏行さんの発案で誕生した。藤田さんは、東京を拠点に、自身のファッションブランド「JieDa」を展開している。

藤田さんは「閉店と聞いて、地元に帰った際に一畑百貨店のグッズを何か買いたいなと思ったんですが、そのとき買える商品がなかった」と言い、このトートバッグを思いついたという。

この限定バッグの制作を持ちかけたのは、藤田さんからだった。発売から1カ月半前の9月中旬、藤田さんから一畑百貨店に持ちかけ、急ピッチでバッグを完成、販売にこぎつけたそうだ。しかも、利益は度外視、異例のコラボだった。

JieDaデザイナー・藤田宏行さん:
パッと見たときに、一畑を思い出し、島根にすばらしい百貨店があったということを思い出してもらえたら

閉店45日前に、突如、登場した“思い出グッズ”は一畑百貨店のフィナーレを盛り上げるサプライズになった。

一畑百貨店の井上智弘専務に、今後もこうしたサプライズはあるのかと聞いてみたところ「あるかもわかりませんね。乞うご期待でございます」と閉店に向け、含みを持たせた。

このトートバッグは、初回生産分が完売となっていて、12月中旬に追加販売されるということだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

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TSKさんいん中央テレビ
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