自衛隊オスプレイの佐賀空港配備に向け訓練飛行が行われた当日、鹿児島・屋久島沖で米軍オスプレイが墜落。陸上自衛隊の目達原駐屯地創立記念行事でオスプレイのデモフライトが中止になるなど波紋が広がっている。

奇しくも佐賀“初飛行”当日

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11月29日、佐賀・吉野ヶ里町の上空などで1機のオスプレイが訓練飛行を行った。自衛隊のオスプレイが佐賀県内を飛行するのは初めてだ。自衛隊オスプレイの佐賀空港配備への理解を佐賀県民に深めてもらうのも狙いのひとつで、九州防衛局は「できるだけ多くの人に実際の機体を見てもらい、理解の一助になれば幸い」と話していた。

アメリカ軍のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖で墜落したのは奇しくも訓練飛行の当日。佐賀県内にも波紋が広がった。

佐賀・吉野ヶ里町の目達原駐屯地。12月3日の創立記念行事で一般向けにオスプレイのデモフライトを行う予定だった。しかし米軍オスプレイ墜落を受け急きょデモフライトの中止を決めた。

知事「デモフライト中止は当然」

自衛隊オスプレイの佐賀空港への配備計画が進む中、県政を担う知事にとっても米軍オスプレイ墜落は他人事ではない。墜落の翌日、11月30日に開会した佐賀県議会で山口祥義知事は、「防衛省に詳細な情報の収集と提供を求めた」と述べ、米軍に原因の徹底究明を求める意向を示した。
また山口知事は報道陣に対し自衛隊デモフライトの中止は当然との考えを語った。

佐賀県 山口祥義知事:
自衛隊オスプレイのデモフライトは民家の上を飛ぶわけだから当然慎重であるべきで中止するのが当然。米軍に今回の原因に関しては徹底的に追究してもらうよう要請したい

佐賀市の坂井英隆市長も米軍オスプレイ墜落の当日、「九州防衛局長に対し速やかな情報提供と安全対策の徹底を行うよう伝えたところであり、引き続き強く求める」とのコメントを出した。

米軍オスプレイ墜落で住民は…

県民の賛否が分かれる佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備。今回の米軍オスプレイ墜落で住民の反応は様々だ。

目達原駐屯地周辺の住民:
オスプレイの事故って多すぎません?操縦がかなり高度なものを要求されるのではないかと素人考えではそう思う

佐賀空港周辺(佐賀市川副町)の住民:
オスプレイもそんなに完璧ということはありえない。事故は起きるときには起きる。手抜きの検査で機体が悪くなるようなことがないようにすればいいのではないか

佐賀空港へのオスプレイ配備に反対する市民らは抗議の声を上げた。反対住民らは墜落事故の翌日、九州防衛局や県などを訪ね、駐屯地建設工事の中止や住民説明会の開催を求める申し入れ書を提出した。

みんなでSTOPオスプレイ佐賀 向井寛事務局長:
住宅密集地に落ちていてもおかしくないわけですよね。佐賀県としても今までの推進という立場を見直すきっかけにすべきだと思う

着々と進む“駐屯地”建設

現在、千葉県木更津市に暫定配備されている陸上自衛隊のオスプレイ。防衛省は木更津市への暫定配備の期限は2025年7月までとしている。
米軍オスプレイ墜落の波紋が広がる中、佐賀県内では毎日ダンプカーが次々と行き交い、オスプレイの佐賀空港配備に向け駐屯地の建設が着々と進んでいる。

(サガテレビ)

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