福岡県内では雨の少ない状況が続いている。水道から出る水の勢いを弱める減圧給水が実施されている糸島市を緊急取材した。
少雨でキャベツもふたまわりほど小降りに
福岡県内では、2025年の秋以降、雨の少ない状況が続いている。

県内の主要なダムの貯水率の平均は、2月10日時点で43.4%にとどまっていて、県は緊急の『渇水対策本部』を設置した。

服部誠太郎・県知事も「福岡県の水事情、大変厳しい状況となっております。節水のご協力、何とぞよろしくお願い申し上げます」と訴える。

春キャベツの生産量が高い地域のひとつとして知られている糸島市。
2月10日から11日にかけて久し振りに雨が降ったものの、これまでの少雨状態が影響して、キャベツは通常よりもひと回りほど小ぶりだという。

「これくらいのサイズにならないといけないです」と両手で本来のサイズを示すのは糸島市でキャベツ栽培を営む荻原和也さん。両手で示したサイズよりも畑のキャベツは、ふたまわりほど小さい。

「2カ月くらい雨、殆どなかったから。葉っぱが大きくなるのに水が必要。乾燥していたら丸まる時も小さくなる。結局、悪循環」と話す荻原さん。

「いま雨が降らなかったら2~3カ月後の収穫量がだいぶん減る」と荻原さんはため息を吐いた。
あらゆる工程で水が必要 うどん店
糸島市を含む福岡県内の8市町では、水道の水の勢いを弱める減圧給水が実施されている。

糸島市内にある人気のうどん店『うどん和助』。コシのある自家製麺と香り高い出汁を求めて、店内は多くの客で溢れていた。
店長の川元勇児さんは「麺を洗うのにも水を使いますし、釜にお湯を張ったりとか、出汁にも水を使うし、水はたくさん使いますね」と話す。

うどんを茹でるためのお湯や出汁に加え、緬は小麦粉に対して50%の加水が必要なため、生地を練る段階から水を大量に使用する。

「12月、1月に使用した水道代は10万4830円です。186トン」と明細が記されたスマホ画面を取材陣に提示する川元店長。

2カ月で使用した水道の量は186トンと、200リットルの浴槽を満杯にした場合の93杯分に相当する。このため、節水をできる限り心掛けているというのだ。

「できる限り、節水できるところはしないといけない。水を出す量は少なくしてもらって、洗い物とかはお湯を溜めて、なるべく使わないようにしている」と川元店長は話すが、うどんにとって“命”の水が止まってしまった場合を想像すると『休業』の二文字が頭をよぎるという。

「『水がないと営業できない』と言ったらいいんですかね。『営業難しいな』となると休んでしまうかもしれない」。川元店長は、文字通り“天を仰いだ”。
現実味を帯びる『断水』
生産現場や飲食店にも影響が広がる異例の少雨状態。県は、現在の状況が続けば2月中旬には一部の自治体が夜間断水に踏み切る可能性もあるとして、こまめな節水を呼びかけている。

2月10日時点で、福岡県内の主要な21ダムの貯水率は43.4%。2025年の同じ日は78.0%だったので、半分程度にまで低下している。主要ダムの寺内ダムや江川ダムがある朝倉市の1月の降水量をみてみると、1カ月間に降った雨は12ミリ。これは平年の1月の降水量の5分の1程度で、この100年で1番少なかったという。

いよいよ『断水』が、現実味を帯びてきた。
(テレビ西日本)
