佐賀空港へのオスプレイ配備計画が着々と進んでいる。そうした中、サガテレビキャスターがオスプレイに搭乗。テレビカメラが初めて内部の撮影に成功した。暫定配備されている木更津市の現状とともにリポートする。

陸上自衛隊・木更津駐屯地に暫定配備

千葉県の中西部、人口約13万5,000人の木更津市。

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独特の低音を響かせながら姿を見せたのが、オスプレイだ。陸上自衛隊・木更津駐屯地に現在11機が暫定配備されている。

オスプレイの最大の特徴はヘリコプターと飛行機の特徴を併せ持つこと。人や物資の輸送を主な目的に、ヘリのような「垂直離着陸」と飛行機のような「高速飛行」を可能としている。

木更津市には2020年7月から暫定配備され、隊員約200人で訓練している。

V-22オスプレイにキャスター搭乗

川野優也キャスター:
今からオスプレイに機体の後方から搭乗します

今回、木更津駐屯地のV-22オスプレイに川野キャスターが搭乗。テレビカメラが入るのは初めてだ。

川野優也キャスター:
機体の中は…両サイドにシートが一列になっています

シートベルトで体を固定し、騒音防止のヘッドホンを装着。

川野優也キャスター:
きょうは風が強いのでかなり揺れるという注意がありました。ただ機体の安全性には全く問題ないということでした

機体が滑走路を進み、離陸する。

川野優也キャスター:
いま機体がゆっくりと浮き上がりました。ふわりと浮くような感覚です。かなり強い揺れを感じます

数分後、プロペラが「垂直離着陸モード」から「固定翼モード」に変形。すると、揺れが少し収まった。

川野優也キャスター:
まず音はヘッドセットを外すとかなりの音がある。長時間耐えるのは厳しい。離陸直後はかなりの揺れがあった。振動もあった。プロペラのモードが固定翼モードに変わって、しばらくたつと通常の航空機とそんなに変わらないような印象です

V-22オスプレイの座席は24席で、このほかに乗組員が4人いる。天井の高さは170cmほどで、最大で約2,600km飛行できる機体だ。

機体の後ろ側は、見張りのため出入り口を開けて飛行。上空からの景色が見える。

川野優也キャスター:
座り心地は悪くはない。安定感もある。そして機体の内部を見てみると、配管やスイッチがむき出しとなっている

これは、少しでも軽量化して積載量を増やすためだ。

滑らかに着陸
滑らかに着陸

離陸してから約20分。滑らかに着陸した。

川野優也キャスター:
乗っていた感覚はそこまで強い揺れは感じなかった。機体の安定感を感じた

陸上自衛隊輸送航空隊長・不破悟1等陸佐:
何かほかの航空機と変わって特別に何か不安を感じることは、少なくとも我々は感じていない。安全の確保は絶対の大前提なので、そこには万全の上にも万全を期してやっている

騒音や安全性への懸念 周辺住民は…

佐賀県内でも騒音や安全性への懸念が根強いオスプレイ。木更津駐屯地のすぐそばには、民家が立ち並んでいる。この場所で長年暮らす住民は…。

駐屯地近くの住民:
来たときはみんなずらっと並んで見に来ていたけど…もう誰も興味ない。たまに家の屋根すれすれを飛ぶ。こするなよ、っていうぐらいの所で

駐屯地近くの住民:
慣れちゃう。基地が目の前。そうするといろんな機種のヘリや飛行機が飛ぶわけだから。音ってなれば…もっとうるさいのがあるから

自衛隊のヘリや羽田空港への飛行機がひっきりなしに飛ぶ木更津市。一方で、反対の声も根強くある。

オスプレイ来るないらない住民の会・野中晃事務局長:
住民としては大変危険だなと。困ったなという形になっている。周りの人も「すごいね。今まで聞いたことのない音だね」と。そういう声が集まるようになった。(暫定配備期限の)約束は守ってもらいたい。これが本音

佐賀空港配備まで2年半

木更津市への暫定配備は2025年の7月まで。その後は佐賀県に配備する計画だ。防衛省との“約束”まであと2年半に迫る中、木更津市長の心境は…。

木更津市・渡辺芳邦市長:
現実に2025年に佐賀配備が間に合うかは分からないし、どうなるかは分からないが、いずれにしても私どもの防衛省との約束は2025年7月までという認識。防衛省側で対応していただきたい

そして、もし期限の延長を要請された場合について、渡辺芳邦市長は「そこは全く考えていない」と回答した。

(サガテレビ)

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