新春の全国大会出場をかけた熊本県大会の決勝戦が11月18日に行われ、女子は信愛女学院、男子は鎮西高校が優勝した。「勝利に導いた監督の助言」と「けがのエースを支えた仲間」、戦いの裏側に迫る。

女子決勝は熊本信愛女学院と鎮西の対決

女子の決勝戦は熊本信愛女学院と鎮西の対戦で、過去10年中に8度決勝で相まみえ、両チーム4勝ずつとまったくの五分だ。

スパイクを連続でシャットアウトする鎮西
スパイクを連続でシャットアウトする鎮西
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鎮西は第1セット中盤、相手のスパイクを連続でシャットアウト。試合を優位に進める。すると信愛の堤監督がタイムをかけた。

信愛女学院・堤政博監督:
(相手ブロックが)高いんだったら下に打たんでしっかり当てればいいから

この指示をアタッカー陣がプレーで忠実に実行し、解説の中島健熊本県バレーボール協会高校部長は「下に打たずに長いコース長いコースに打っていますね。堤監督の指示通りの動きができているんじゃないでしょうか」と評価した。

逆転で第1セットを奪うと、その後も徹底してスパイクでコートの奥を狙い続けた信愛が、続く2セットも連取。

セットカウント3対0で鎮西を下し、3年連続35回目の春高全国大会出場を決めた。

信愛女学院・堤政博監督:
やることが中途半端になってその指示は出したんですけど、よく指示通りにやって結果を出してくれました

信愛女学院・南咲良主将:
下にたたいたら高いブロッカーがいたので、長くたたこうと自分たちでも話してやりました。去年、センターコートまで連れて行ってもらって3位という悔しい結果で終わったので、次こそ先輩たちを越えて優勝できるように頑張ります

男子は鎮西と熊本工業の頂上決戦

男子は5年連続で鎮西と熊本工業の頂上決戦となり、まず主導権を握ったのは熊本工業だった。

鎮西のエース・井坂選手を徹底マーク
鎮西のエース・井坂選手を徹底マーク

鎮西のエース・井坂太郎選手を徹底マークし、ブロックポイントを重ねる。熊本工業がこのセット9本のブロックポイントなどで、23対21と鎮西を追い詰める。

しかし、ここで意地を見せる鎮西は、1年生・岩下選手や井坂選手の得点で逆転し、セットポイントをつかむと、最後もエース・井坂が決めて苦しみながらも第1セットをモノにする。

右肩のけがで万全ではない井坂の打数を減らし、対角に入る松井選手や岩下選手を中心に得点を重ねる鎮西。

第2セットも取ると第3セットも終盤まで優位に進めるが、熊本工業も最後まで諦めない。

熊本工業2年生エース・前田選手が気迫のこもったスパイクで連続得点を上げ、2点差まで詰め寄る。

決勝点を決める鎮西のエース・井坂選手
決勝点を決める鎮西のエース・井坂選手

しかし、最後は鎮西のエース・井坂選手が、痛みに耐えながらも仲間がつないだトスを決め切り、見事ストレートで大会15連覇を達成した。

鎮西高校・井坂太郎主将:
最後はキャプテンとエースとしてこのチームを勝たせたいという意地でした。(全国での)目標はセンターコート。春高で勝てるように頑張っていきたい

男女とも、エースの意地や3年生の思いなどが詰まった手に汗握る熱戦を繰り広げた熊本の代表の2校は、年明け1月4日から東京体育館で始まる全国大会に出場する。

(テレビ熊本)

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