長野県小諸市の創業約350年の老舗みそ蔵が自慢のみそをより気軽に味わってほしいと、会社の建物を改修し、ラーメン店をオープンした。「赤・白」2種類のこだわりスープが味わえ、早速、人気を集めている。
“全部飲める”濃厚スープ
みそのスープにストレートの中華麺を合わせたラーメン。
10月1日に小諸市にオープンした「信州味噌ラーメン 山吹」。その名の通り、みそラーメン専門店だ。
店内は多くの客でにぎわっている。
「ザ・みそって感じ」、「濃厚でスープも全部飲んでしまうくらいおいしい」と、客も納得の味だ。
この記事の画像(8枚)それもそのはず、この店は「みそ蔵」が直営している。
創業約350年の「酢久商店」。江戸時代に小諸藩主から土地をもらい受け、みそやしょうゆなどを醸造したのが始まりだ。
代表作「紅浅間」で知られる昭和の画家・小山敬三の生家でもある。
厳選した大豆・塩・麹と、ミネラル豊富な浅間山麓の伏流水で仕込むのが主力商品の「山吹味噌」。蔵に住み着く「蔵つき酵母」により、独特の風味が生まれるという。
みそ蔵を改装したラーメン店
そんなみそ蔵の建物の一角を改装したのが今回のラーメン店。
酢久商店の広報の羽毛田有智穂さんは、「山吹みその可能性を広げることができる料理、皆さまに気軽にお越しいただける料理と考えラーメン店をオープンした。当社のみそについて知っていただけるきっかけづくりになれば」と話す。
提供しているのは2種類。
「山吹赤」は、毎年、予約した客だけのために仕込んでいる高級みそを使用。
鶏白湯ベースのスープと合わせ、みそのうま味や甘さを引き出した。
一方、「山吹白」は、甘みが特徴の3種類のみそをブレンドして使用。
見た目は赤に似ているが、豆乳を加え、クリーミーな味わいに仕上げている。
トッピングと一緒に乗せるのが「追い味噌」。溶きながら食べると、みその味わいをより深く感じることができる。
みそ蔵直営ならではの味わい
それぞれ、どんな味なのかー。
食べた客は、「白はクリーミーで、赤はコクがあって、それぞれ特徴があっておいしい。みそ蔵でラーメン店を始めるというのは聞いたがことないので、珍しくていい」、「みそがトッピングであって、味変ができたので、二度楽しめた」と、好評だ。
信州味噌らーめん山吹の川口英行店長は、「もう一度、『山吹味噌ラーメン』を食べたいと思ってもらい、この雰囲気も感じてもらえれば」と、気軽に来店してほしいと話す。
みそ蔵直営のラーメン店。
みその食文化が根付く信州で新たな風を吹かせる。
(長野放送)