今年3月に腸炎の手術を行い療養中だった、歌手の谷村新司さんが、10月8日に亡くなっていたことを、16日、所属事務所が明かしました。享年74歳でした。

名曲「チャンピオン」誕生秘話

当時の若者の絶大な支持を集めた、伝説のフォークグループ「アリス」のリーダーとして活躍。その後、ソロアーティストとして、数々の名曲を残した、谷村新司さん。

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中でも、1978年に発表した「チャンピオン」は、アリス最大のヒットになりました。不朽の名曲であるこの曲には、モデルとなったボクサーがいるといいます。

元プロボクサーの、カシアス内藤さん(74)。

カシアス内藤さん:
(作家の)沢木耕太郎さんとカラオケに行ったんだよ。カラオケに行って、「チャンピオン」歌おうかなといったら、「それ君の歌だよ」と言われて、初めて知ったんだから。全然知らなかった。その歌はもう、すごく流行っていたから。

内藤さんは、1971年、21歳の若さで、東洋ミドル級王座に輝きますが、王者から陥落し、一度は引退。
28歳で、再びチャンピオンを目指し、トレーニングを始めたころ、谷村さんが見学に訪れたといいます

カシアス内藤さん:
俺の練習だとかそういうのをみて多分イメージを作って、それで書いたんだと思う。谷村さんは、勇気付けるためにあの歌を作ってくれたんだよね。

その後、指導者に転身した内藤さんを、2004年、突然の病魔が襲います。
咽頭がんで余命3カ月の診断でした。

今でもがんの治療を続けているという内藤さん。長い闘病生活を支えてくれているのは、「チャンピオン」だったといいます。

カシアス内藤さん:
もう一回、がんばりゃいいじゃないかと、勇気をもらう歌。よしと思わない方がおかしい。あの歌を聴いてね。
(めざまし8 10月17日放送)