10月7日から10月9日に行われたフィギュアスケート関東選手権。

シニア男子は大久保政宗が合計145.38点で、シニア女子は吉岡詩果が合計130.77点で優勝した。

この関東選手権で東日本選手権への出場権を獲得したシニア・ジュニアの選手たち、そして全日本ノービスを決めた選手たちの結果を振り返っていく。

【シニア男子】シニア1年目の大久保が優勝

出場選手2名全員が東日本選手権へ出場を決めたシニア男子。

優勝はシニア1年目、17歳の大久保政宗だ。

地元が長野という大久保は、年末にビッグハットで行われる全日本初出場を狙う。

トリプルアクセルを着氷させた大久保政宗
トリプルアクセルを着氷させた大久保政宗
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SP2位で迎えたFS、冒頭に組み込んだトリプルアクセルを着氷させた。

惜しくも回転不足判定で成功とはならなかったが、今季から取り入れている大技を初めて試合で着氷してみせた。

このジャンプは昨季四大陸選手権で3位の佐藤駿を参考にしているという。

今大会「ショートとフリーで不甲斐ない」と落ち込む姿もあった大久保だが、「東日本選手権へ向けて一つ一つの技を磨きいていきたい」と前を向く。

さらなるレベルアップへ3回転―3回転のコンビネーションも取り組む構えだ。

シニア男子表彰台(関東選手権)
シニア男子表彰台(関東選手権)

【シニア男子】
1位 大久保 政宗(長野日大高校)145.38点
2位 丸山 英希(栃木県スケート連盟)138.28点

【シニア女子】吉岡詩果が4連覇達成

女子は上位5名が東日本選手権へ出場を決めた。

女子は吉岡詩果が大会4連覇を達成した。

一昨年右足の疲労骨折を経験した吉岡は去年、復帰のシーズンとして、2年ぶりの全日本出場を叶えた。

今季、足の痛みは和らいだもの、ここまでジャンプがなかなかはまらなかったという。

それは今大会でも表われてしまい、演技後には唇を噛みしめる仕草も見受けられた。

「練習と試合で動きが変わってしまった」と振り返り、その原因として「メンタル面の弱さ」と吉岡は分析。

「もっと自信を持って挑みたい」と2年連続の全日本の舞台を狙う。

シニア女子表彰台(関東選手権)
シニア女子表彰台(関東選手権)

【シニア女子】
1位 吉岡 詩果(山梨学院大学)130.77点
2位 綾部 花恋(埼玉アイスアリーナFC)118.71点
3位 木村 真歩(日本体育大学)105.45点
4位 清水 愛望(日本体育大学)104.97点
5位 中本 有咲(山梨学院大学)104.77点

【ジュニア男子】ジュニア1年目の西野が優勝

ジュニア男子では、上位3名が東日本選手権に進出した。

優勝は今季ジュニアデビューの西野太翔(たいが)。

ジュニア1年目から国際大会に派遣され「貴重な経験ができた」と話す西野は、今季、トリプルアクセルを構成に組み込んでいる。

今季ジュニアデビューした西野太翔
今季ジュニアデビューした西野太翔

練習での成功率は上がっているというトリプルアクセル。

SPは冒頭でその大技に挑戦。惜しくも失敗するもその後は立て直した。

FSでも西野の挑戦は続き、ここでもトリプルアクセルを投入するが成功とはならなかった。

それでも出場者唯一の技術点50点台をマークし、2位に20点以上の差をつけて初優勝を飾った。

「失敗しても崩れないメンタルを持つ」と課題が明確になったと西野は振り返った。

東日本ではSPとFSノーミス演技で全日本初出場を目指す。

ジュニア男子表彰台(関東選手権)
ジュニア男子表彰台(関東選手権)

【ジュニア男子】
1位 西野 太翔(神奈川FSC)172.56点
2位 田口 湊音(渋谷教育学園幕張中学)150.21点
3位 萩原 颯希(KOSE新横浜プリンスFSC)147.14点

【ジュニア女子】中尾歩が優勝

ジュニア女子は、上位11名が東日本選手権に進出した。

優勝は去年、全日本ジュニアに初出場した中尾歩。

SP1位で迎えたFSで3回転ルッツー3回転トゥループのコンビネーションジャンプを見事、初成功させる。

満面の笑顔で滑る中尾は、その後も大きなミスなく滑り切った。

大島コーチとグータッチする中尾歩
大島コーチとグータッチする中尾歩

演技後のキスクラでは大島敦コーチに「満点でした!」と褒められ、笑みがこぼれた。

自己ベストを更新した中尾は、坂本花織、三原舞依らのスケーティングを目標にしているという。

次の東日本ではSP、FSノーミス演技で“笑顔”で滑り切りたいと意気込んだ。

ジュニア女子表彰台(関東選手権)
ジュニア女子表彰台(関東選手権)

【ジュニア女子】
1位 中尾 歩(埼玉アイスアリーナFC)155.69点
2位 入江 美友(Mエイトクラブ)141.64点
3位 千葉 美乃花(埼玉栄高校)141.39点
4位 永田 桂都(神奈川FSC)133.55点
5位 藤沼 聖空(埼玉アイスアリーナFC)133.35点
6位 花田 実優(宇都宮フィギュアC)127.65点
7位 杉本 羽美(KOSE新横浜プリンスFSC)125.33点
8位 八田 琴子(KOSE新横浜プリンスFSC)119.12点
9位 氏家 天(横浜清風高等学校)118.42点
10位 大石 彩生(神奈川FSC)114.32点
11位 海老根 紗彩(千葉県連)111.87点

【ノービスAB、男子・女子】

11~13歳が参加するノービスAクラスと、9~11歳が参加するBクラスでは、この関東選手権を通過すると、10月21日開催の全日本ノービスへ出場できる。

ノービスA男子は全日本ノービスに推薦されている大林理人を除く上位4名、ノービスA女子は3名が、全日本ノービスへ出場を決めた。

ノービスBでは男子の上位5名が女子は4名が全日本ノービスの出場を決めた。

ノービスA男子表彰台(関東選手権)
ノービスA男子表彰台(関東選手権)

【ノービスA男子】
1大林 理人(KOSE新横浜プリンスFSC)78.13点
2高橋 健(埼玉アイスアリーナFC)74.72点
3高 旭(アクアリンクちばSC)69.60点
4武田 龍哉(アクアリンクちばSC)65.43点
5辻出 歩生(長野市スケート協会)65.41点

ノービスA女子表彰台(関東選手権)
ノービスA女子表彰台(関東選手権)

【ノービスA女子】
1位 赤塚 友奏(埼玉アイスアリーナFC)67.24点
2位 古川 心祐(神奈川FSC)65.62点
3位 松浦 杏奈(埼玉アイスアリーナFC)65.20点

ノービスB男子表彰台(関東選手権)
ノービスB男子表彰台(関東選手権)

【ノービスB男子】
1位 木村 碧一(埼玉アイスアリーナFC)72.94点
2位 中條 幹太(神奈川FSC)55.42点
3位 権 勇輔(KOSE新横浜プリンスFSC)46.21点
4位 北村 優之哉(埼玉アイスアリーナFC)42.31点
5位 平野 勇都(埼玉アイスアリーナFC)39.94点

ノービスB女子表彰台(関東選手権)
ノービスB女子表彰台(関東選手権)

【ノービスB女子】
1位 森 成  美(埼玉アイスアリーナFC)63.80点
2位 山田 怜(埼玉アイスアリーナFC    )59.42点
3位 齋藤 瑞桜(KOSE新横浜プリンスFSC)54.84点
4位 横山 莉緒(神奈川FSC)51.08点

全日本までの道の詳しい概要はフジスケでhttps://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/index.html
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フィギュアスケート取材班
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