熊本市北区に月に1日だけ営業するかき氷店がある。店主は、和歌山で父親から受け継いだカフェを経営し、本業は熊本で「介護離職0」を経営理念とする保険代理業を営んでいる。2つの拠点で2つの事業を展開する店主の思いを取材した。

ひと月に1日だけ 幻の理由は父の介護

暑い夏に食べたくなる、かき氷。

営業は月に1度だけ
営業は月に1度だけ
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熊本市北区に月に1度だけ営業するかき氷店「カフェコッペ熊本試作室」がある。店主は岡本太郎さん。

「介護離職0」を目指し保険代理店を経営
「介護離職0」を目指し保険代理店を経営

和歌山出身の岡本さんは妻の地元である熊本で保険代理店を立ち上げ、家族の介護を理由に仕事を辞める、いわゆる「介護離職0」を目指した経営を行っていて、生まれ故郷の和歌山でその経営理念を実践している。

一度は閉店余儀なくされた店引き継ぎ

岡本さんの父・峻彌(しゅんや)さんは約40年前に和歌山県南東部に位置する那智勝浦町でパン店を開業、2店舗を構えていた。

カフェコッペ熊本試作室・岡本太郎さん
カフェコッペ熊本試作室・岡本太郎さん

カフェコッペ熊本試作室・岡本太郎さん:
2019年に父が脳梗塞で倒れてしまって、完全に寝たきりの状態になってしまったのですが、何とかサポートできないかと思って、カフェをリスタートさせるために毎月2週間ずつ熊本と和歌山を往復する生活が始まりました

1号店は岡本さんの兄弟が引き継いだが、2号店は閉店を余儀なくされた。しかし、復活を待ち望む客のためにと、岡本さんが一念発起。

喫茶店「カフェコッペ」としてオープン
喫茶店「カフェコッペ」としてオープン

後継者のいなかった2号店「カフェベーカリーコッペ」を2021年に喫茶店「カフェコッペ」としてリニューアルオープンし、自慢のかき氷などを提供している。

1人1時間1000円で何杯でも

そして、この夏から熊本市北区清水万石にある会社の駐車場を使っても、月に1度かき氷の提供を始めた。

1時間1,000円でかき氷を何杯でも
1時間1,000円でかき氷を何杯でも

1人1時間1,000円で、様々な味のかき氷を何杯でも好きなだけ楽しめる。

ポイントは“ふわふわ食感”
ポイントは“ふわふわ食感”

ポイントはなんといってもふわふわの氷だ。しっかりと圧をかけて氷を削ったり、遠くからシロップをかけたりすることで、ふわふわで滑らかなくちどけの食感に仕上がる。あまおうシロップを使用し、淡い色あいに仕上げた定番のイチゴ味は“大人のいちご”と名づけた。

抹茶パウダーがふんだんに使われている
抹茶パウダーがふんだんに使われている

抹茶味はシロップの上から抹茶パウダーをふんだんにかけることで香り高く、濃厚な味わいに。

“ピーナツバター”という珍しい味も
“ピーナツバター”という珍しい味も

ピーナツバターという珍しい味もある。父・峻彌さんのパン店のかつての人気商品「からっぽパン」で使っていた、ピーナッツバターから発想を得て作ったそう。

父・峻彌さんのパン店のかつての人気商品「からっぽパン」
父・峻彌さんのパン店のかつての人気商品「からっぽパン」

前田美沙希記者:
ピーナツバターのかき氷をいただきます。ふわふわの氷にクリームとキャラメルソースが乗っていてまるでケーキのようなかき氷です。ピーナツバターの香りが鼻から抜けてとてもおいしいです

全部で13種類、開発中の商品もあり、種類は増える予定だ。

岡本さん「喜んでもらっている」

「喜んでもらっている」と話す岡本さん
「喜んでもらっている」と話す岡本さん

カフェコッペ熊本試作室・岡本太郎さん:
学んだ技術を熊本でも広めていきたいと思って始めました。あるようでなかった食感、「すごくおいしい」と喜んでもらっている

妻の美也子さん
妻の美也子さん

妻・美也子さん:
楽しみながらやっています。(熊本と和歌山は)移動距離があるので少し大変ですが、2拠点で環境が変わるのも非常にいいことだし、どちらの家族も支えられる部分を支えられたらお互いいいかなと

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

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