和歌山市の雑賀崎漁港で、岸田首相に爆発物を投げつけたとして、威力業務妨害の現行犯で逮捕された木村隆二容疑者(24)。警察の調べに対し、いまだ黙秘を続けています。

「めざまし8」は、木村容疑者の同級生を取材。その人物像を追いました。
“明るい少年”が一転…専門家「大勢に恐怖や不安を与える」
「もし、パティシエになったらいろんなお菓子を作りたいです。食べた人が秘密にしておきたくなるお菓子をいっぱい作りたいです。もう一つの夢の発明家になったらみんなが喜ぶロボットや新しい車とかを作りたいです」

これは、めざまし8が入手した、木村容疑者が小学6年生の時に書いた文集の一部です。将来の夢は、パティシエか発明家になりたいと書かれていました。

中学生の時に、職業体験を終えた感想をつづったものには、「仕事をしている方々と食べるお昼ご飯はいつもよりとてもおいしかったです。仕事が終わるととても達成感があるので、とてもやりがいがある仕事だったです」と、接客など、社交性が求められるような仕事にもやりがいを感じていたことが垣間見えます。

小学校時代の木村容疑者を知る人物は、「とにかく明るく元気だった」と話す一方、中学校時代を知る人たちからは、また別の証言が…。

木村容疑者の中学校の同級生:
おとなしい、静かな感じで。まぁ割と孤立して、一人でいたような印象ですね。中学校一年生の時は、めっちゃひとりでいるという感じでもなかったんで、たぶん、もともとは明るい感じの子やと思うんですけどね。(中学)2年生、3年生の時には、もうすでに、一人でぽつんと孤立したような感じでした。

小学校時代とは打って変わり、中学校では孤立していたといいます。
木村容疑者の中学校の同級生:
いじめがあったような認識は、僕自身、一切ないですね。いじめられるようなタイプでも、いじめるようなタイプでもない。当たり障りない普通の同級生やな、ぐらい。(木村容疑者は)一切暴力的ではなかったですね。

孤立してはいたものの、おとなしく、暴力的ではなかったという木村容疑者。彼を凶行に駆り立てたものとは一体何だったのでしょうか?
犯罪心理に詳しい、明星大学の藤井靖教授は、過去の事例から容疑者の心理をこのように推察します。
明星大学心理学部 藤井靖教授:
過去の爆発物を使った犯罪、あるいは爆破事件。そういう事例の容疑者の心理も、総合すると“政治的な意図”みたいなことよりは、容疑者個人の精神の状態として、「自分と社会が隔絶されている」という感覚に根ざした、“破壊的な行動”あるいは、“自分をも破壊”するというような、そういう行動であることが非常に多いですよね。
「自分は善で社会が悪」だと考え、象徴的な首相を狙うことで、大勢に恐怖や不安を与える。「自己顕示・自己表現」そういったことをしたと考えるのが、自然かなと思います。


専門家が指摘した、自己表現や自己顕示の可能性。

木村容疑者は、警察の調べに対して「弁護士が来たら話します」と黙秘を続けており、雑談にも応じていないといいます。その目に、一体 何を見据えていたのでしょうか…。
(「めざまし8」4月17日放送)