中央競馬では、現在6人の女性騎手が活躍、注目を浴びているが、その騎手を目指し約30倍の難関を乗り越えて、福岡から千葉の競馬学校に入学した1人の少女がいる。

騎手を夢見る少女

福岡市出身の西村瑠華さん。この3月に中学校を卒業したばかりの15歳だ。

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西村瑠華さん:
父にポニーの試乗会に連れてきてもらって、本格的に馬に乗りたいなと思って「少年団」に入った。実際に入ると、思ったよりも大変で、馬も大きいし、でもずっと馬と一緒にいられるようになって楽しかった

もともと動物が好きだったという瑠華さん。父親に連れられて、小倉競馬場にある乗馬センターに小学生の頃から通い始めた。乗馬や世話など、大好きな馬と接していくうちに、いつしか「騎手」を目指すようになったと話す。

西村瑠華さん:
本格的に騎手になろうと思ったのは、中学生のとき。授業で職業を考えるときに、騎手になろうと決めた

険しい「騎手免許取得」への道

瑠華さんが、この春から進む千葉・白井市の競馬学校には、2023年は192人が受験し、合格したのはわずか7人。入学したあとは全寮制で、厳しい体重管理の下、騎手に求められる知識や技能を徹底的に学ぶ。
数少ない女性騎手として活躍するためにも、まずは競馬学校での3年間を乗り越えて騎手免許の取得を目指すのだ。

西村瑠華さん:
やっぱり1番は小倉競馬場に恩返しがしたい。ここまで成長させてくれたのは、ここの馬たち。しっかりと競馬学校でも頑張りたい

小さい頃から慣れ親しんだ小倉競馬場に騎手として戻ることを夢見る瑠華さん。本格的なトレーニングを始めたのは、騎手を志し始めた中学1年のときだった。

瑠華さんの自宅には、筋力トレーニングの器具がずらり! 実はトレーナーを務める両親が経営するジムで毎日、瑠華さんはトレーニングに励んでいる。

西村瑠華さん:
小さい頃からこんな環境だったので楽しいけど、きついときは、きつい

日々、成長を続ける娘の姿に父親の拓巨さんは――。

父・西村拓巨さん:
体が強くなった。トレーニングには集中力が大事ですけど、その集中力がついたなと感じる。親目線よりトレーニング目線だと思います(笑)

西村瑠華さん:
競馬学校に合格できたのも、いままで支えてくれた乗馬センターの人や両親のおかげなので、感謝の気持ちを忘れずに、同期の仲間と楽しく仲良く頑張りたい

夢への第一歩

そして――。
家族や仲間からの声援を受け、旅立ちの日を迎えた。

西村瑠華さん:
やっぱり女性騎手は少ないので大変だと思うけど、活躍したいと思う。馬を第一に考えて、ひとくらひとくら、大切にして、信頼してもらえる騎手になりたい

満開の桜が咲くなかで、いよいよ競馬学校の入学式。未来を見つめる瑠華さんの姿が、そこにあった。
「夢への第一歩」。騎手になるため西村瑠華さんの挑戦が始まる。

西村瑠華さん(入学式挨拶):
福岡県出身、西村瑠華です。感謝の気持ちを忘れずに馬を大切にしながら勝てる騎手になりたい

母・西村久美子さん:
緊張しているなと思いました。さみしい気持ちもあるけど、無事に3年後アスリートとしてジョッキーデビューしてもらいたい

日本の競馬界を引っ張るトップジョッキー目指して頑張れ! 瑠華さん!

(テレビ西日本)

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