福岡県北九州市の武内和久市長が1期目の任期の最後の1年を迎えました。
「稼げる街」への動きが加速する武内市政の現在地と将来像について話を聞きました。
2023年2月の市長選で政党に頼らない草の根選挙を展開し、与野党相乗りの候補を破った北九州市の武内市長。
初当選から3年がたち、1期目の最後の1年がスタートしています。
◆北九州市 武内和久市長
「街に明るさと勢いが戻ってきた。そう体感する、手応えがある3年間でした。(1期目の最終年となる)この次の1年なんですが、次の1年もこの3年間で勢いをつけてきた街の明るさと勢いをさらに加速していく。そういう1年にしていきます」
実に60年ぶりに達成した人口の転入超過が2年連続し、企業誘致による投資額も過去最高を更新中。
こうした街の勢いをさらに加速するキーワードのひとつに武内市長は、人工知能=AIを挙げています。
◆北九州市 武内和久市長
「AIがある時代というのは、産業も人も暮らしも今までとは一変していきます。(AIを)読書とあわせて教育にも生かしていく。またフィジカルAIというAIを使ったロボットなどが(自律で)動いていく」
フィジカルAIは、AIによる頭脳を手足にあたるロボットに結びつけて自律的に動かす技術で、市内に本社を置くグローバル企業、安川電機も取り組みを進めています。
教育面でもAIと読書を組み合わせた学力向上策を打ち出すなど、さまざまな分野での活用を進める方針です。
◆北九州市 武内和久市長
「AIの時代の子供たち、そしてAIの時代の産業の在り方、そして行政の在り方これを全てアップデートしていく。技術力と産業力を持っている北九州市は、日本でもその先頭を走る力があると確信しています」
武内市長は、現在議会で審議中の新年度予算案を「成長加速予算」と銘打って、人・投資・経験の3つを集める政策を柱に据えています。
教育を含む子育て環境や街の魅力を高めて人を集め、起業支援や都市基盤の整備で投資を呼び込む戦略は定石と言えますが、「経験」を集めるという戦略は、地域の特性に鑑みた独自の政策です。
◆北九州市 武内和久市長
「知恵や経験のある高年齢者、ベテランプロフェッショナルの方が大勢います。そうした方の力をもっと引き出してもっとお力を借りて、この街の経済と暮らしを元気にしていく。例えば起業経験があって、例えば経理の実務をやったことある方がスタートアップをサポートする、中小零細企業をサポートすることがあってもいい」
その他にも地域活動や子育て支援などさまざまな分野で高年齢者の経験を掘り起こし、街の成長と課題解決につないでいく方針です。
◆北九州市 武内和久市長
「人材不足の時代と言われますけれども、私たちには膨大な経験と知恵を持った素晴らしい宝のような高年齢者の皆さんがいる。北九州市は高齢化が最も進んだ政令指定都市と言われます。でもそれこそが私たちの武器になる。そう確信しています」
物流拠点化に弾みがつく北九州空港の滑走路延長や溶鉱炉の電炉化に向けた日本製鉄の6300億円の投資、それに日産自動車の工場集約に伴う生産体制の拡大など、就任以来目指してきた「稼げる街」に向けた大きな動きが見えてきた北九州市。
その一方で武内市長が変化する街の課題として挙げたのが…。
◆北九州市 武内和久市長
「課題はインフレ時代の都市経営。ここにどう向き合うかです。コストが上がる、人件費が上がる、そんな中でどうお金をやりくりするのか。そしてその事業の遅れを少しでも小さくするのか。もう1つは街の老朽化です。メンテナンスのコストをどう賄うのか維持管理をどうしていくのか。例えば水道管とか公共施設をAIとかドローンとかを使いながら、テクノロジーも使いながらメンテナンスをどう賢くやっていくかにもチャレンジをしています」
残る任期はあと1年。
続く2期目について明言を避けた武内市長ですが、目指して進む目標を明かしました。
◆北九州市 武内和久市長
「私の中にいつも念頭にあるのは2043年です。市政が始まって80年、この辺に次の世代が笑顔でワクワクしながらこの町で過ごしているためには、というところから逆算して何が必要か、どんな企業が必要か、どんな手を打っておく必要があるのか、どんな暮らしがいいのか、どんな教育があるべきか、そういったことを発想しながら考えています」