突然、お腹にえぐられるような激痛が走る…止まらない冷や汗。その症状、もしかすると「虚血性腸炎」かもしれない。前触れなく襲ってくるこの病気の症状や予防法について医師に聞いた。

血管と腸の要因が絡み合い発症

話を聞いたのは福井市の吉田医院の副院長で、消化器内科を専門とする沖野真理子医師。

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虚血性腸炎は「大腸に酸素とか栄養を送っている血管が一時的に詰まって大腸壁が虚血に陥り、それによって炎症や潰瘍ができる病気」で原因は一つではなく「血管の要素と腸管の要素が複雑に絡み合って起きる」という。

要因は大きく2つある。

1つ目は「血管の要因」だ。動脈硬化や強いストレスなどによって血管が細くなり、血流が悪くなること。

2つ目は「腸の要因」。便秘などで腸の中が圧迫され、血の流れが滞ってしまうことである。

この2つの要因が重なることで、大腸に一時的な血流障害が起こり、虚血性腸炎が引き起こされる。

突然の腹痛と血便がサイン

主な症状は、突然の腹痛。前兆なく、特に左下腹部にえぐられるような強い痛みを感じることが多い。冷や汗や吐き気を伴うこともある。

虚血性腸炎の主な症状
虚血性腸炎の主な症状

もう1つの特徴的な症状が血便。最初は茶色っぽい下痢だが、重症化すると大腸の粘膜が剥がれ落ち、血の混じった便が出るようになる。

注意すべき人について沖野医師は「最も頻度が高いのが、基礎疾患のある高齢女性」だという。

女性は便秘が多く、高齢者は基礎疾患を持つことが多いため、両方の要因が重なり血流が滞るタイミングで発症しやすいと考えられる。

基礎疾患の中でも、生活習慣病や心疾患、慢性腎臓病を患っている人、そして高血圧や糖尿病の人は特に注意が必要だという。

日常でできる予防法

予防について沖野医師は「血管を健康に保つ」ことが重要だと強調する。

「そのためには生活習慣病のコントロールが重要になってくるので、かかりつけ医師と生活習慣病や基礎疾患の管理をしてほしい」

もう一つは「便秘の予防」。水分や食物繊維を積極的に取ることを意識するよう心がけること。

また、禁煙やなるべくストレスがかからないように生活することも効果的な予防法だという。

症状があれば迷わず受診を

最後に沖野医師は、次のような場合はすみやかに受診するよう呼び掛ける。

「お尻から血が出たら、絶対に受診が必要。お腹の痛みが続いていて冷や汗出るぐらいの強さの場合も受診し、検査を受けて欲しい

突然の激痛に襲われる前に…「血管を健康に保つこと」「便秘の解消」「禁煙」を心掛け、日々の生活習慣を見直してみてはどうだろうか。

福井テレビ
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