周りに人がいるところで手帳に予定や日記などを書いている時、横から読まれないかと気になることはないだろうか。

そんな心配をせずに、他人に見られたくない内容を気にせず書けるようにと、ゼブラ株式会社が“淡いひみつ色”のペンを数量限定で発売した。

ゼブラによると、近年、手帳はスケジュール管理だけでなく、その日に感じたことを素直に書きとめ思考を整理、体温などを記録して体調を管理するなど、よりプライベートなことを記録する時にも使われているという。

提供:ゼブラ株式会社
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その一方で、2月に同社が日常的に手帳を使用している366人を対象に実施した「手帳に関するアンケート」によると、他の人がいるところで手帳を広げることに抵抗があるかという質問に、「とてもある」が15.8%、「すこしある」が45.1%と回答しており、手帳ユーザーの約6割が、周りに内容が見えてしまうことを気にして、オフィスやカフェなどの他の人がいるところで手帳を開くことに抵抗を感じていることがわかった。

他の人がいるところで手帳を広げることに抵抗がある?(提供:ゼブラ株式会社)
他の人がいるところで手帳を広げることに抵抗がある?(提供:ゼブラ株式会社)

そのニーズに着目し、よりプライベートな内容も気にせず書き出せる、周りにいる人から見えにくい濃度に調整した淡い色合い“ひみつ色”のインク4色を開発。

その名も「サラサナノ スモークカラー」で、同社のサラサシリーズから発売している「サラサナノ」の数量限定のインク色。「サラサナノ」は極細ペンでもさらさらとした書き心地を実現させた、新しい極細タイプのジェルボールペンとなる。

インクはスモークピンク、スモークカーキ、スモークブルー、スモークオーカーの4色で、ボール径は0.3ミリ、値段は220円(税込み)。全国の文具取扱店で3月9日から、数量限定で発売している。

上から、スモープピンク・スモークカーキ・スモークブルー・スモークオーカー(提供:ゼブラ株式会社)
上から、スモープピンク・スモークカーキ・スモークブルー・スモークオーカー(提供:ゼブラ株式会社)

今回の調査では、コロナ禍で体調の変化を気にして手帳に付け始める人や、昨今の推し活ブームでイベントの予定を手帳に付け始めた人など、よりプライベートな内容を書く人が増えていたことも分かっている。そのようなことから、周りを気にせず書き出せるペンのニーズが高いと考えたという。

ギリギリの淡さになるよう濃度を調整

やはり気になるのは、どのくらい横から見えにくい色なのかということだろう。 また、なぜこの4色に決めたのだろうか?

ゼブラ株式会社の担当者に話を聞いた。


ーー“見えにくいペン”を開発したきっかけを教えて

もともと発売していた「サラサナノ」という商品発売後、細かなところにさらさら書けることから、手帳を使用する方に使っていただくことが多く、より手帳の使用シーンに合わせた色合いのインクを出したいと思い、開発を始めました。
 

自分目線(提供:ゼブラ株式会社)
自分目線(提供:ゼブラ株式会社)

手帳の使用シーンとして考えた時に、「人に見られたくないこと」が書く内容としてあることに気がつきました。 体調や使ったお金の記録や、ネガティブなことも含めた素直な気持ちなど。そんな時に、あえて見えにくい色味を開発したら、従来色との差別化となり、色分けしたい意向のあるユーザーにとって便利なものになるのではないかと考えました。書きたいことをまわりを気にせずどんどん書いてほしいという思いも持っていました。

周りから見た手帳(提供:ゼブラ株式会社)
周りから見た手帳(提供:ゼブラ株式会社)

ーー開発で苦労したことは?

書いている自分には見えて、周りの人からは見えにくい濃度に調整することに苦労しました。ギリギリの淡さになるように、複数のインク色の試作を作って決めていきました。また、まわりの人から見えにくい色合いという点にこだわり、正面以外で見ると見えにくくなるような濃度にしています。

開発中、インク濃度を調整(提供:ゼブラ株式会社)
開発中、インク濃度を調整(提供:ゼブラ株式会社)

ーーどうして“スモークカラー” 4色にしたの?

極細ペンを愛用するユーザーは、書く内容によってインク色を分ける傾向があると調査でわかりました。そのことから、色分けを想定し「ひみつ色」として手帳に使いやすい4色を選びました。

提供:ゼブラ株式会社
提供:ゼブラ株式会社

ーーこれまでに“見えにくいペン”を発売してほしいという声はあった?

ゼブラのお客様相談室に、「喫茶店などでノートに書く時にまわりの目が気になるので、薄い色のラインアップが欲しい」という声などをいただいていました。

周りからは「何かを書いているかは分からない」

ーー完成した商品を見て、どう思った?

普段は見やすさを重視して開発する事を心掛けていたので新鮮でした。使って見て、濃い色味と逆の色味を実感し、色の使い分けとしては分かりやすくできたので、お客様にも新しい使い方として伝わるといいなと思っています。

人によっては「本当にニーズがあるのか?」と疑問に思う人もいたのですが、手帳を書く人は「見られたくないときがあるよね」と共感してくれました。

左から、スモークピンク・スモークカーキ・スモークブルー・スモークオーカー(提供:ゼブラ株式会社)
左から、スモークピンク・スモークカーキ・スモークブルー・スモークオーカー(提供:ゼブラ株式会社)

ーーどのくらい見えにくいの?

周りの人から見ると、何かを書いているか、内容までは分からないと思いました。

ーー調査結果を見たとき、どう思った?

思っていたよりも多くの人が、他の人がいるところで手帳を開くことに抵抗があると知り驚きました。ここ数年手帳はスケジュールだけでなく、日記や趣味の記録など様々なことを書くようになっており、よりプライバシー意識が高まっていることを感じました。

他の人がいるところで手帳を広げることに抵抗がある理由は?(提供:ゼブラ株式会社)
他の人がいるところで手帳を広げることに抵抗がある理由は?(提供:ゼブラ株式会社)

ーー製品発表後の反響はどう?

特にSNSを中心に、「なるほど!」や「スマホのようにのぞき見防止の色?」など多くの反響をいただきました。また今トレンドのくすみカラーに近い色合いなので、色々なところに使ってみたいという声もあって嬉しかったです。

また、プライベートな内容の筆記を想定していましたが、ビジネスシーンでも需要がありそうなことにも気が付きました。

提供:ゼブラ株式会社
提供:ゼブラ株式会社

ゼブラによると、調査では、これまで周りに見られたくない人は、自分にしかわからない記号を使って書いていたり、わざと小さく書いていたり、手帳の前に飲み物や筆箱を置いて隠していたことがわかったという。

手帳の中身が見えないように行っていた工夫(提供:ゼブラ株式会社)
手帳の中身が見えないように行っていた工夫(提供:ゼブラ株式会社)

手帳に書く際には、周囲に見えないよう工夫している人が多くいるようだ。しかしこのようなスモークカラーのペンを使えば、心配しなくてもよさそうだ。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。