卵や燃料費など、最近はさまざまなものが値上げされている。または価格は変えず内容量を減らすという“ステルス値上げ”もあり、家計にも影響していることだろう。

そんな値上げに関するある投稿が話題になった。
食品だけでなく、文房具にも値上げの波がきているのではないかと、ボールペンの画像とともに、インク量が以前と比べて減ったように感じているという内容の投稿があったのだ。

写真に写っていたのは、ゼブラ株式会社で人気のジェルボールペン「サラサクリップ」。

サラサクリップ(提供:ゼブラ株式会社)
サラサクリップ(提供:ゼブラ株式会社)
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この「もしかしたら値上げの影響が文房具にも?」との疑問に、ネットでは、自分が持っている商品と比較する人や、過去に購入した商品と最近購入の商品を比較する投稿など多くの反響があった。

左:1カ月前に買った商品 右:1年以上前に買った商品(提供:乙三(おーくん)さん)
左:1カ月前に買った商品 右:1年以上前に買った商品(提供:乙三(おーくん)さん)

しかし、この投稿があった翌日、ゼブラ株式会社は公式Twitterアカウントで、「SNS上で、サラサクリップのインク量が最近減ったのではとの話題がありますが、サラサクリップのインク量は減らしておりません」などと「ゼブラからのお知らせ」として発表した。

この同社の投稿に多くの愛用者から、「つまりゼブラのサラサシリーズは最高ってこと」「例えインクが減ったとしても使い続けます」「そうだったんですね!有難いことです」などとコメントが寄せられ、疑問も解消されて3万7000いいねが付いている(4月21日時点)。

原材料などは上がっているが“インク量は減っていない”

インク量が減っていないとのことだったが、実際のところ原材料の価格上昇の影響などはないのだろうか?また、どうしてインク量が減ったと感じることがあるのだろうか?

ゼブラ株式会社の担当者に話を聞いた。

提供:ゼブラ株式会社
提供:ゼブラ株式会社

ーー商品によってはインク量が少なく見えたりするの?

インクの見た目の量は、ボールの太さ・インク色によって違います。また、同じ商品でも弊社が規定している範囲内で製造上インク注入量の誤差はございます。また、時間の経過によってインクの水分が減ることがございます。減る量は、ペンが置かれている環境によって違いますので、未使用であっても減っているように見えるケースもございます。

提供:ゼブラ株式会社
提供:ゼブラ株式会社

ーー原材料の値上げなどの影響は?

製造において原材料や運送費などの値上げの影響はございますが、サラサクリップのインク量は減らしておりません。

「正確な情報をお伝えする必要がある」

ーー「インク量は減らしてない」と投稿した経緯を教えて

弊社の商品について正確な情報をお客様にお伝えする必要があると考え、弊社のツイッターアカウントで投稿いたしました。

ゼブラ公式Twitter(@suraripen)投稿全文

【ゼブラからのお知らせ】
SNS上で、サラサクリップのインク量が最近減ったのではとの話題がありますが、サラサクリップのインク量は減らしておりません。
コスト削減のために減らしたという事実もございません。
インクの見た目の量は、ボールの太さ・インク色によって違います。
材料や構造がそれぞれ違うので、品質上最も適したインク量を決めています。
ゼブラホームページに掲載している商品画像もボールのサイズによって異なっています。
特に0.4mmは他の太さに比べるともともと少ない設定となっています。

ただし、製造上インクの注入量の誤差はございます。基準のインク量は確保できるよう工程上で品質管理しておりますが、時間の経過によってインクの水分が減ることがございます。減る量はペンが置かれている環境によって違いますので、未使用であっても減っているように見えるケースもございます。

サラサクリップはなるべく多くの方に楽しんで使っていただけるよう、2003年発売以来20年間、100円(税抜)で販売しております。
これからもご愛顧いただけますようお願いいたします。

ーーインク量について話題になっていると知った時、どう思った?

弊社の商品について話題になっていることに驚きました。


ーー今後、インク量が減ることはある?

品質改善を目的として、インク量の最適化のために規定量、市場動向の変化によって、ラインナップや仕様などの変更をおこなうことはございます。今後の具体的な予定はお伝えできません。

サラサクリップは2003年の発売以来、値段を一度も変更していないという。相次ぐ値上げの動きがあるが、可能な限りは愛用者には嬉しい「値段据え置き」「内容量変わらず」で頑張ってほしい。

「サラサクリップ」
2000年に発売された、さらさらとした軽い書き心地と、濃くあざやかな発色が特長で、学生から社会人まで人気が高いジェルボールペン。価格は100円(税抜き)。
ジェルボールペン国内最多の57色という多くのインク色を揃え、使う人の個性やそのときの気持ちを豊かに表現することがでる。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。