雪の中、じっと大好きな人を待つ…そんな健気な柴犬の様子がTikTokに投稿され、注目されている。

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大好きな人に会えない悲しさはワンコも人間と同じ

動画に登場しているのは、柴犬の「朔」くん。そして大好きな人は飼い主のローズ(@shibainu.saku)さんのお孫さんだ。

この日、お孫さんがやってくるのを待っていたが、家に入って朔くんに会う前に、お孫さんはそのまま用事に出発してしまった。

すると朔くんは、大好きな“孫ちゃん”に会えなかったことにショックを受けた様子。お孫さんが乗った車が走っていった道路を窓から見つめ、部屋の中をウロウロ。さらに「クーン、クーン」と鼻を鳴らしてしまった。

悲しげにウロウロ…
悲しげにウロウロ…

お孫さんは用事をすませた後に再び家にやってくる予定だったが、そんなこととは知らない朔くんは、その後も玄関の方を見つめたり、窓から外を眺めたりと、悲しげな様子。飼い主のローズさんもそんな朔くんに「会いたいよね」「散歩行ってこよう」と声をかけ、慰めた。

この様子だけ見ても、朔くんから“孫ちゃん”への深い愛情にジーンとしてしまうが、これだけでは終わらない。

一度散歩に出た朔くんだが、散歩から帰ってきてもまだ来ないお孫さんのため、道路の上でおすわりすると、なんとそのまま30分もじっと待っていたのだという。

札幌で暮らしているという朔くん。寒さには慣れているかもしれないが、雪の積もった道にじっと座り込むその姿に「冷たい雪の上にぺたんと座って待っている姿に涙が出ました」「会いたいのに会えなくて、30分も寒い雪の中で待ってる朔くん見てると切なくなるね」「ずっと待ってて、えらかったね!!」とコメントが続々寄せられた。

場所を変えてもじーっと待つ
場所を変えてもじーっと待つ

その後、お孫さんは無事に朔くんのもとにやってきた。

朔くんはさっそくしっぽをパタパタと振りながら玄関へ向かい、「やっと来たぁ、待ってたよぉ!」というローズさんの“アテレコ”そのままの喜びあふれる姿を見せていた。

大急ぎで玄関に向かう朔くん
大急ぎで玄関に向かう朔くん

朔くんとお孫さんとの仲も気になるところだが、動画を撮りながら、朔くんと外で一緒に待っていただろう飼い主さんの優しさにも心を打たれる。飼い主のローズさんに、色々とお話を聞いてみた。

「来る」という言葉に反応してじっと待つ

――朔くんとお孫さんはどんな子?

朔くん:5歳7カ月の柴犬、北海道生まれの道産子犬。好きなことはお散歩で、優しく人間の様に感情豊かです。
孫ちゃん:年齢は2歳3カ月、好きなものはダンスとおままごとです。とっても活発で元気な女の子です。

――寒い中じっと待っていた朔くんは、どんな様子だった?

お散歩の時間でしたので、気がまぎれ忘れるかと思っていたら……「帰ってくる」と言ってあったことを覚えていてずっと動かず、似た車が通ったせいもあってずっと待ち続けていました。お散歩はいつも平均して2時間ほどです。

寒さは平気?な朔くん
寒さは平気?な朔くん

――飼い主さんも朔くんと一緒に外で待っていた?寒くはなかった?

散歩途中で“交通安全パトロール”をしたりして立ち止まることも多いので……この日ももちろん一緒に外で待っていました。いつも本人(朔くん)の気が済むまで付き合います。

長時間のお散歩のため防寒はしっかりしてますが、立ち止まってじっとしてるとやはり寒くなります。朔も一緒に待ってあげると気が済むのか、「そろそろ(動こう)」と言うと気を使って動いてくれます。日頃きちんとコミュケーションが取れてるおかげだと思っています。

“パトロール中”の朔くん
“パトロール中”の朔くん

――朔くんはお孫さんが来るといつもこんな風に待っている?

いつも“自宅警備”しているので、孫が来ると車の音でわかるらしく、知らせてくれます。家族が来るといったん軽く吠えて、その後はクンクン鳴いてます。言葉がわかるので「(家族が)来る」と言ってしまうと、その時から来るまでずっと待っていてかわいそうなので、言わないでおいています。

別の日に“孫ちゃん”が遊びに来た時の朔くん。お孫さんが寝ている部屋にお鼻を突っ込んで待機中…
別の日に“孫ちゃん”が遊びに来た時の朔くん。お孫さんが寝ている部屋にお鼻を突っ込んで待機中…

――待ちに待ったお孫さんが帰ってしまうときは、どんな反応をする?

孫が帰る時や私が仕事に行く時はそういうものだとわかっていますし、必ずまた来ることもわかっているので後追いはしません。ただ、孫は「帰りたくない」とギャン泣きしますが。


――朔くんの動画への反響について…

私はバズろうと思って動画を投稿しているわけではないので……もちろんたくさんの方に見ていただき優しいコメントをたくさんいただくとうれしいです。普段の日常の生活の中で自分が感動したこと、心を動かされたこと面白かったことをそのまま投稿しています。

そんな中で犬にも人間のような心があることを知ってほしい、人として何か忘れてしまっている気持ちを毎回私自身が朔に教えてもらっているので、それを伝えたくTikTokを続けています。そんな気持ちがみなさんに素直に受け止めていただけることをとても嬉しく思っております。

ゆっくり仲良しに…ふたりの距離が縮まる記録も

毎月1回は朔くんのもとに遊びに来るというお孫さん。

朔くんは別の日にお孫さんが遊びに来た時も、窓から見つめたり玄関の方を見て鼻を鳴らしたりと、やはり待ちわびる姿を見せていた。

ローズさんはこのほかにも、朔くんとお孫さんの動画を投稿し続けている。

お孫さんは、最初は朔くんの足の先を触るだけだったが、徐々に朔くんのことを「ワンワン」と呼んだり、頭をなでてあげたり、ハグをしてみたりと、ゆっくり距離を縮めていく。

朔くんもはじめは匂いをかぐだけだったが、お孫さんの成長とともに、次第におもちゃで遊んだり、エサを食べさせてもらったりと、だんだん仲良くなる様子がしっかり記録されている。

現在2歳のお孫さんは、5歳の朔くんにとってたまに会える大事な“妹”のような存在なのかもしれない。

@shibainu.saku 大好きな人♥️に会えない悲しさはワンコも人間と同じ😭#柴犬🐕朔 #孫 #札幌 ♬ merry-go-round - Yuuri

「犬にも人間のような心があることを知ってほしい」と話すローズさんだが、人間も顔負けの愛情表現を見せた朔くん。これからも大好きな“孫ちゃん”と一緒に遊ぶ日を楽しみに待ちながら、元気に過ごしてほしい。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。