総務省が調査するラーメンの年間支出額の結果が2月7日に公表され、2022年、8年連続のトップを逃した山形市が日本一に返り咲いた。

日本一奪還で市民大喜び

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記者:
山形市役所では、総務省の調査結果が公表される8時半に合わせ、担当課の職員、市内のラーメン店の店主、そしてマスコミとワクワクドキドキ、独特の雰囲気に包まれている

ラーメンにかける1世帯当たりの年間支出額で、8年連続で守ってきた首位の座を、2022年、新潟市に奪われた山形市。日本一奪還に向け山形市は2022年秋からラーメン店とタッグを組み、PRの強化に取り組んできた。
2022年11月に発表された中間結果では、約700円の差をつけ山形市が首位に立っていた。

城西金ちゃんラーメン・荒木英之さん:
去年10月頃から盛り上がった実感があるので、多分大丈夫だと思って期待している

公表を前に漂う緊張感…。

記者:
8時半になった。中間発表で1位から3位だった山形市・新潟市・仙台市の数字を役所の職員が手分けして抽出していく

3人の職員がそれぞれの金額を読み上げている
3人の職員がそれぞれの金額を読み上げている

職員たち:
新潟市12,573(円)、仙台市12,480(円)、山形市13,196(円)

記者:
山形市だけが1万3000円台! 山形市が日本一奪還

結果は山形市が1万3,196円で1位。2位の新潟市に約600円の差をつけ日本一に返り咲いた。結果はすぐに別の部屋で待つ佐藤市長と店主の皆さんに伝えられ歓喜の声が聞かれた。

城西金ちゃんラーメン・荒木英之さん:
(2位の新潟市と)600円の差、もっと差をつけたかったがまず1位を取れた。これからダントツになれるように頑張る。よりおいしいラーメンを出すことを心掛けていく

山形市・佐藤孝弘市長:
ものすごくうれしい。市民の皆さんと一緒に喜び合いたい。これからも新潟市をはじめラーメンを愛する街の皆さんと、お互いリスペクトしながら切磋琢磨して盛り上げていきたい

日本一奪還を受け山形市は8日に「ラーメンの聖地、山形市」を宣言をした。

ラーメン愛が強い山形市民

2年ぶりの首位奪還の知らせを受け、山形市民や県民からは多くの喜びの声が聞かれた。そして日本一の座を守るため、今後もラーメンのPRに取り組んでいくと意気込む関係者もいた。

客:
やっと(新潟市)を抜いたなという感じ

客:
1位があるっていうのは誇れる

客:
(山形市が)地元ではないが、日本一のラーメンの消費地に来たので、1位に戻って嬉しい

客:
大学に入ってから、山形市がラーメンで有名なので食べるようになったが、どれも美味しくて、(山形の人は)みんな大好きなんだなと思った

喜びや安どの声が聞かれた一方、新潟市や仙台市とのライバル関係について「ちょっと残念なのが、この2位と3位に比べてあまり(支出額に)変わりがないなというのが、ちょっと残念。でもすごく味は山形が負けないと思う」という声も聞かれた。

ラーメン店だけでなく、街中で話を聞いても圧倒的だったのは、市民のラーメン愛だった。

山形市民:
(新潟市を)超したんですか、やりましたね、ラーメン好きなので嬉しい

山形市民:
本当に貢献したいと思って、休みの時・週に4回は(ラーメンを)食べるようにしている、結構食べてる。(今回の結果は)皆さんのおかげと自分のおかげだと思っている

山形市民:
(きょうも)味噌味が美味しいとか、私はとんこつだとか(話した)。山形と言ったらラーメンっていうか中華そばっていうのが、心の中にみんなあると思うので嬉しい

そして、首位奪還を目指して作られた「ラーメン手形キーホルダー」。市内の印刷会社がラーメン店とコラボし、大盛り無料や煮卵のサービスが受けられる特典を付けた。
第1弾と第2弾をあわせ約3,600個が売れ、「首位奪還に貢献できた」と担当者は感慨深げだ。

大風印刷 営業部・髙木龍人マネージャー:
非常に嬉しい、今までずっと1位だったものが、取り返せたということで安心感もある。これからずっとこのまま1位を目指して、ラーメンの聖地山形として展開していきたい

キーホルダーは第3弾の販売も予定され、1年後の日本一に向け弾みをつけてくれそう。

新潟市は早くも臨戦態勢

今回の結果に、ライバルの新潟市からは、山形市の熱意に敬意を表する声が上がった。その一方で、「悔しい」「次は首位奪還」と早くも臨戦態勢となっている。

首位の座を明け渡した新潟市。中原八一市長は悔しさをにじませつつ、敗北を宣言した。

新潟市・中原八一市長:
新潟市が連続で1位になれるかと思ったが、正直残念。奪還に向けた熱意や取り組みが功を奏したと思う。山形市の第1位にはお祝いを申し上げたい。おめでとうございます

一方で、新潟市内のラーメン店では、すでに次への戦いは始まっていた。店のイチオシは、ピリッとした辛さと出汁が絡むマーボー麺。

新潟市民が熱愛する自慢のラーメンを週に3、4回食べるという男性客は「悔しさはある。戦いなんで。勝つためには、(食べる回数を)2回3回増やさないといけない」と臨戦態勢となっていた

麺家太威・石川康志代表:
(今回の山形市の)勢いが違うと感じた。新潟も一致団結してやっていきたい

ーー新潟市としてはメラメラ?

新潟市・中原八一市長:
一度1位になったんで、もう一度、返り咲きたい

山形市と新潟市の差は年間でわずか600円。しのぎを削る手ごわい相手との争いがまた1年続きそうな予感。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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