石川県警の警察学校に一日体験入校できると聞いて、石川テレビの記者が体当たりで取材してみた。座学のほか、団体行動の授業では「連帯責任」を学ぶ。きつい訓練を経験して改めて芽生えたのは、すべてを乗り越えてきた警察官への敬意だった。
警察学校の教場に潜入!?
この記事の画像(45枚)記者:
朝8時過ぎです、いよいよ体験入校が始まります。グラウンドの方からは元気な声が聞こえます…不安です。
今回、記者が体験したのは、石川県警の警察学校。
今年は68人が入校し、寮で生活を共にしながら警察官になるため励んでいる。
そんな警察学校に、今回、テレビ局や新聞の記者8人が入校した。
チャイム:
キーンコーンカーンコーン
最初の朝礼で行われるのは、教官による服装チェック。
教官:
しっかりとボタンを閉めて下さい。
開始早々、警察学校の洗礼を浴びる。
午前9時。1限目は刑法と刑事訴訟法について学んだ。
記者:
数年ぶりにノートをとりました。朝早くからの座学、ちょっときついです。
2限目は、落とし物をした人への対応実習。警察官役になり遺失届出書を埋めていく。
記者:
住所を教えてください。
落とし主役の初任科生:
住所は石川県金沢市…
警察学校の教官:
受理時間を…
記者:
ああぁ!ありがとうございます!
警察学校の教官:
じゃぁ、11時18分で…
記者:
失くしたことに気づいたのは何時ごろ?
落とし主役の初任科生:
ついさっき、15分ごろです。
落とし物の特徴や中に入っていたものなどを詳細に記入して…
記者:
では手続きは以上になります、ありがとうございました。
記者:
どうでしたか?
教官:
そうですね、最初の受理日時と書類の年を書くところは、令和で書いてもらうのでお願いします。
お待ちかねの昼食は…やっぱりおいしかった
ここで、お待ちかねの昼食。向かうのは食堂だ。
教官:
自分たちで分けて準備するという感じでやってますので、分担して食事の準備をやってほしいなと思います。
食事の配膳はもちろん、自分たちで。きょうのメニューはこちら、定番のカレーだ!
記者:
ホタテが入っています。これちょっと豪華じゃないですか…うまい!
あまりの美味しさに10分ほどで完食。
午後からの授業は体力勝負!?
ランチが終わると、午後からは着替えてグラウンドに向かった。
教官:
飯も食べたということで、体を動かしていきたいと思います。
3限目は団体行動を学ぶという。
教官:
今から実際にやっていきますので、できなければ全員で腕立て伏せ。しっかり頑張っていきましょう。回れ右!、半ば左向け左!
教官:
どこ向くんですか?警察官は全然違う方向を見ていますよ。間違えたので腕立て伏せは全部で60回
1人のミスは全員のミス。あわせて6人がミスをしたので、計60回の腕立て伏せを命じられた。
記者:
もう、無理無理無理…
4限目は全身にプロテクターを装着しての警備訓練。準備運動を終えると…?
教官:
まず駆け足訓練から行きます。楯をもってこの部隊に続いて走っていきます。
教官:
右向け右!駆け足訓練始め!
グラウンドを何周走るかは教官次第。事前に教えてもらえない。
初任科生と記者たち:
1、2、1、2…
2周目で早くも声がでなくなる…
教官:
列乱すなよ!
教官の言葉に尻をたたかれ、なんとか踏ん張るが…
教官:
遅れんな、遅れんな!まだまだ行くぞ!
3周目に入ると…隊列を乱す記者が続出。
4周目には足が止まる人まで出てきてしまった。
5週目に入ると歩くのがやっとの状態に…
約15分だったが、10キロほどの楯をもって走り全員が疲労困憊となっていた。
記者:
石川に来て2年半経ちますけど、1番きつかったです。これを乗り越えた人たちだから、もうちょっと(警察官に)優しくしよう
さらに…
記者:
手が震えています、ピントが合わないですが楯をもって走るのはやめた方がいいです。
最後は、訓練を終えた初任科生にインタビュー。
記者:
さっきの訓練は余裕だった?
初任科生:
いつもに比べると耐えられる。
別の初任科生:
あと5分あったら、置いていかれていました。
そんな厳しい学校もあと2カ月ほどで卒業。
記者:
卒業はさびしい?嬉しい?
初任科生:
早く現場に出たいという気持ちもあるんですけど、同期で一緒に寮で一緒にいるっていうのはなかなかないと思うので、少しさびしいです。
記者:
寂しいですか?
初任科生:
寂しいです。
記者:
嬉しい気持ちと寂しい気持ちのどっちが勝つ?
初任科生:
嬉しいです!
記者:
やっぱりきつい?
初任科生:
きついです!
警察学校は学生たちが1日1日を、厳しく、楽しく過ごす場だった。
(石川テレビ)