冬の信州で外国人客に人気の観光地と言えば、白馬村や野沢温泉村などのスキーリゾートだが、今、スキー以外で人気の場所がある。それは、長野市の戸隠。路線バスには朝から行列ができ、連日、大勢の外国人客が戸隠を訪れている。お目当ては何か、探ってみた。
外国人客が急増しバス停に行列
2月24日午前8時過ぎのJR長野駅前。その一角に、ひときわ長~い行列がー。戸隠に向かうバス停だ。日本人だけでなく外国人も多く並んでいた。台湾からの観光客は「ユーチューバーとかよく紹介してますから」、中国からの観光客は「SNSを見て、とても美しいきれいな場所だと思ったんだ」と話した。

全員が乗り込むと車内はいっぱいに。バスを運行するアルピコ交通によると、2024年末から、外国人客が急増しているという。
冬の戸隠に、何をしに行くのか?
SNSがきっかけ?杉並木を背景に撮影
約1時間後、戸隠神社中社のバス停に到着。降り立つと、近くの県道の脇を歩き始めた。歩くこと約20分。到着したのは、戸隠神社奥社の参道。「パワースポット」として、以前から人気の場所だ。外国人客は雪をまとった杉並木をバックに、思い思いに写真撮影していた。
シンガポールからの観光客は「とても素晴らしいです。アメージング、ベリービューティフル」、イギリスからの観光客は「素晴らしいよ、とてもいい場所だね。人がとても多い」と話した。

地元観光協会によると、冬の奥社参道に多くの外国人客が来るようになったのは、この冬からだという。
戸隠観光協会の山崎桃香主任は「2024年12月の年末ごろから特に多くのインバウンドのお客さまがいらっしゃっているという印象。理由はわからない…」と話した。
なぜ、戸隠に来たのか中国から来た3人組に聞いてみると、「SNSとかで写真が上がっていて、いいなと思って」と話し、中国のSNSに載っていた戸隠神社の動画を見せてくれた。こうしたSNS上の写真や動画をきっかけに、訪れる人が増えているようだ。
立ち入り禁止エリアに人が…
増加の一方で、問題となっているのが、立ち入り禁止のエリアに入ってしまう人がいることだ。雪崩の危険などがあることから、現在、参道の杉並木より先を立ち入り禁止にしている。しかし、立ち入る人が後を絶たないと言う。

観光協会の山崎桃香主任は「山岳観光地ですので、積雪量もありますし、注意看板とかご覧いただいて、気を付けて観光していただきたい」と話し、ルールを守って安全に観光を楽しんでほしいとしている。
(長野放送)