福岡市博多区のボクシングジムで汗を流す、プロボクサーの黒木優子さん。

黒木優子選手:
女子ボクシング界に残って、女子ボクシングを広められるように、そんな存在になれるように頑張りたい

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福岡市出身の黒木優子さんは、現在31歳。父親の勧めでボクシングに出会い、17歳でプロデビュー。そして2014年、23歳の時にWBCミニフライ級で世界タイトルを獲得した。

そんな黒木さんの夢は「統一チャンピオン」だ。

最強の拳が作る愛情たっぷりケーキ

黒木さんは、地元の福岡でボクシング以外の活動にも励んでいる。

黒木優子選手:
女子ボクシングを広めるために、自分が世に出ていけたらと思います

リングでは、闘志溢れる姿の黒木さんだが、素顔は一人の女性。休日は、趣味のお菓子作りを楽しむ。

黒木優子選手:
お菓子作りは愛情ですよね。この拳に愛情を込めるんです

最強の拳で作った鉄拳ケーキの完成だ。

4年8カ月を経て…チャンピオンに返り咲く

黒木さんに転機が訪れたのは、2017年の12月に行われた6度目の防衛戦。黒木さんの属するミニフライ級より1ランク軽い、アトム級のチャンピオンを挑戦者に迎えた。

接近戦でパンチを繰り出す挑戦者は、黒木さんの最大の武器、左ストレートを徹底的に封じてくる。一進一退が続き、10回戦のフルラウンドの戦いとなった。結果、3対0の判定負け。黒木さんは、3年半守り続けたベルトを手放した。

それでも、黒木さんの気持ちは途切れなかった。

黒木優子選手:
統一チャンピオンの夢は変わらない。まずはチャンピオンに返り咲きたい

ベルトを失った黒木さんだが、チャンピオン返り咲きを狙いながら、次の世代へのサポートにも励んでいた。

黒木優子選手:
高校生などの下の世代がボクシングで食べていけるように、そんな道をつくりたい

そして、2022年9月1日。黒木さんは、今までのミニフライ級から1ランク軽いアトム級に階級を替え、挑戦者として世界タイトルマッチに臨んだのだ。

元3階級世界王者、長谷川穂積さんを育てたトレーナーの山下正人さんをセコンドに迎え、万全の大成で臨んだリング。

黒木優子選手:
自分のボクシング人生をかけて、負けたら引退。集大成

ベルトを取り戻せないまま過ごした4年8カ月。この「4年8カ月」に答えを出す必要がある。
リングサイドでは拳を握り締めながら父親が、客席からは固唾を飲みながら母親が、最後となるかもしれない娘の雄姿を見守る。

そして場内に響く運命のゴング。
サウスポースタイルの黒木さん最大の武器は左ストレート。パンチが入る!
第1ラウンドから好スタートを切った。
さらに第4ラウンドには左フック、そして左ストレートが連続でクリーンヒット!試合を優位に進める。

迎えた最終10ラウンド。連打を仕掛けてくるチャンピオンにボディを当てられるものの、黒木さんも連打で応戦。最後は激しい打ち合いに。タイトルマッチらしい死闘となった。

そしてゴング!ボクシング人生をかけた戦いが終わった。
結果は判定へ。やりきった黒木さんには笑顔が浮かぶ。

リングアナウンサー:
3対0の採点を持ちまして、勝者、WBO女子世界アトム級新チャンピオン、黒木優子!

引退をかけた試合で圧勝した黒木さん。4年8カ月ぶりに世界王者へと返り咲き、2階級制覇を成し遂げた。チャンピオンベルトは、9月誕生日のお母さんにプレゼント。ちなみに前回の2014年ミニフライ級のベルトも、母の日のプレゼントでお母さんへ渡したという。

黒木優子選手:
チャンピオンではない時間は長かったし、試合も出来ない時が長かったので、コロナもあって、めっちゃ嬉しいです

夢は統一チャンピオン。黒木さんの夢が、再び動き始めた。

(テレビ西日本)