宮崎県都城市で栽培されている在来種の大豆。その産地化を目指す地域の取り組みを紹介する。

農家は栽培に二の足 苗を全て買い取り…

一面に広がる野菜畑。栽培されているのは、「みやだいず」と名づけられた都城特産の大豆だ。

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2010年に1戸の農家で見つかった大豆で、その後、在来種であることが分かった。

大豆本来の香りと強い甘味が特徴。これに注目したのが、地元の食品加工会社「ケンコー食品工業」の吉田努社長だ。

ケンコー食品工業 吉田努社長:
みやだいずは甘さがあり、たんぱく質の量も多くて、加工をするのに非常に適している大豆です

しかし、当初は在来種ということで収穫される大豆の大きさにばらつきがあり、生産者は「みやだいず」の栽培に二の足を踏んでいた。そこで、ケンコー食品工業が全量買い取りに踏み切り、2016年から3つの農業法人が本格的な生産をスタートさせた。

ケンコー食品工業 吉田努社長:
農家さんも「いいところだけ売ってくれ」ということでは、作ってくれないわけですよね。考えて尻込みするぐらいなら、思い切ってやってみようとスタートしました

そして2017年、吉田社長は「みやだいず」を都城の特産品にしようと自ら発起人となり、都城市やJA、宮崎大学などでつくる「みやだいず地域おこしプロジェクト」を立ち上げた。

ケンコー食品工業 吉田努社長:
大豆を地元で大事に作りたいというところがまず一番で、何年か後にはこの南九州・宮崎を大豆の一大産地にできたらという気持ち

プロジェクトメンバーの働きかけで「みやだいず」を扱う加工業者も年々増加し、今では13社に。栽培面積も40ヘクタールに拡大し、2022年は約70トンの生産を見込んでいる。

きらり農場高木 松原照美組合長:
私たちも生産面積を増やしながら、品質の良い大豆を生産して原料をよくして。それを利用した加工品も良い生産ができるようにしていって。お互いの連携のもとに「みやだいず」を在来種として、この地域の特産品になっていけばと思っています

「食べれば違いがわかる」味噌やきな粉を開発

都城市に2021年12月にオープンした前田豆腐店。ここでは「みやだいず」を使った豆腐作りに力を入れている。

「みやだいず」を使った豆腐作りに注力 前田豆腐店
「みやだいず」を使った豆腐作りに注力 前田豆腐店

前田豆腐店 前田勇樹社長:
他の大豆に比べて甘味も強い。それに地元のものを使うというので、みやだいずを選びましたね。一度食べてみれば、違いを実感できるかなと思います

お客さんの反応も上々だ。

常連客:
週に2回くらい来ます。都城にこんなおいしい大豆があるということがよくわかって、とてもおいしくいただきました

吉田社長の会社でも、「みやだいず」を使った味噌やきな粉、蒸し大豆など、加工品を次々に開発し、その魅力を全国に発信している。

ケンコー食品工業 吉田努社長:
早く県内全体に広げたいというのが一番ですかね。南九州といえば、サツマイモなどの有名な作物がありますが、名を連ねられるような大豆になってくれればと思っています

在来種「みやだいず」の一大ブランド化。肉と焼酎に続く都城の特産品を目指し、地域一体となった取り組みは続く。

(テレビ宮崎)