新潟県村上市・関川村・胎内市に大雨特別警報が出されてから、9月4日で1カ月。復旧作業の続く被災地では、ボランティアへの感謝の思いと同時に今後の地域への不安の声も聞かれた。
村上市と関川村で約2000棟が浸水 土砂の撤去進む
記者リポート:
関川村湯沢地区。この辺りは土砂が堆積し、道路が陥没していたのですが、現在は復旧しています。今日もボランティアの方々が集まり作業を行っています

村上市と関川村で合わせて2000棟あまりの住宅が浸水などの被害に遭い、村上市では9月12日現在、46世帯155人に避難指示が出されている。

用助商店 津野みつ子さん:
色んな方の助けで、精神的にも肉体的にも助けられて1カ月が来たかなと思う

しかし、多くの住宅や商店が浸水し、被災地では土砂の撤去など対応に追われる日々が続いている。関川村の松岳寺では、4日も床下を乾かすため、ボランティアの協力を得ながら床の板をはぐ作業が行われていた。

松岳寺 住職の息子 渋谷修平さん:
振り返ると「忙しい」の一言だが、忙しさの中にも改めて人の温かさやつながりを感じるようになった

こうした復旧作業に欠かせないボランティアだが、1カ月が過ぎ減少傾向に。そこで県が9月6日までの期間限定で始めたのが、ボランティア向けの日帰りバスの運行だ。

県庁などからバスで現地まで行き、復旧作業を手伝ったあと再びバスで戻る。移動の負担が減ることで参加しやすくなると参加者は話す。
ボランティアに参加した人:
活動が終わって疲れていても、ボランティアバスだったら乗せてもらえる。良い条件があれば行きたいという人はたくさんいると思う

続く避難指示 今後に不安感じる住民も
こうした協力を得ながら少しずつ進む復旧。
松村道子キャスター:
村上市小岩内地区。記録的な大雨から1カ月が経ち、流木や土砂の撤去作業はかなり進みました。大沢川を挟んだ奥の地域は道路が確保され、住民は「荷物の運び出しに車が使えるようになった」と話しています

自宅が全壊 高野クミさん:
自宅の裏が崩れた。ボランティアの人が来てくれて、土砂を撤去してもらった
自宅が全壊 松本律子さん:
みんなのお世話になった1カ月だった

土石流が発生し、避難指示が出されている村上市の小岩内地区。復旧に向けたボランティアの協力に感謝しながらも、地域の今後に不安が募る。

自宅が全壊 高野クミさん:
大好きな小岩内がこんなになって悲しい
自宅が全壊 松本律子さん:
もう散り散り、バラバラになる

こうした中、9月4日に初めて岸田首相が被災地を訪れた。
岸田首相:
1カ月たってこの姿だと、当日は大変だったんでしょうね。生活再建のために全力で取り組んでいかなければならない

こうした地域でいかに元の生活を取り戻していくのか、防災・減災も含めた対応が求められている。
(NST新潟総合テレビ)