感染者の拡大で医療機関の業務負担が増える中、新型コロナウイルスの感染症法の扱いを、現在の「2類相当」からインフルエンザ並みの「5類相当」に見直す議論が行われている。
見直しによって何が変わるのか?

関西福祉大学・勝田吉彰教授
関西福祉大学・勝田吉彰教授
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関西福祉大学の勝田吉彰教授は「(「5類相当」への見直しには)いろいろな弊害もあり、より注意することもある」と言う。

“全数把握”がなくなると…

「2類相当」では、患者の全数を把握することが決められていて、保健所や医療機関はすべての感染者の情報を報告している。

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
これまでは国際信用の面からも全数把握をしてきた。しかし海外も“全数把握をしない、積極的な検査をしない”方向になっている。そこはクリアできている

医療費は“3割負担”も

一方「5類相当」では、「医療費の公費負担」もなくなる。

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
これから注意しないといけないのは、医療費の問題。一般には「この病気はインフルエンザ並み」と言ったとき、医療費も同じと誤解している人は多い。しかし、インフルエンザの薬は1人2,000~3,000円、新型コロナの薬は7~8万円で15倍くらいの差がある。今の2類では、すべて公費負担で自己負担はないが、5類だと通常のインフルエンザ並みの3割負担になる

公費負担がなければ、新型コロナ治療薬の自己負担は、季節性インフルエンザよりかなり高額になる。それにより懸念されることは…

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
そこに躊躇して、受診しない人が(ウイルスを)周囲に広げることも起こりうる

“入院勧告”がなくなると…

また、これまで「入院勧告」や「就業制限」が行われてきたが、それがなくなるとどういうことが考えられるのだろうか。

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
入院が必要だが、コロナ以外で大きなリスクを持っている人。例えば、身体疾患を持っていて綿密なケアが必要とか、認知症などでコントロールが難しい人は、保健所の権限でどこかに入院確保してもらうことができた

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
しかし(5相当になれば)、そういうケースで保健所の権限がなくなると、すべて民間になる。ということは、どの施設も、コロナ以外のリスクを抱えている人は自分の施設の患者を守るために受け入れないということが起きる。誰が悪いではなく、なかなか入院できないことが増えてしまう。そこはどうやって権限をキープするのか

スムーズな移行のためには?

勝田教授は、扱いの変更は慎重に行うべきと考えている。

関西福祉大学・勝田吉彰教授:
5類への流れはあるにしても、流れていくと“ぶつかる石”がたくさんある。それを処理することはぜひ重要なこととして考え、行政に要求していかないといけない。「5類にしたから自己負担」では困る。しっかりした検討を、国が主体となりつつ、県としても意見を言う必要があると思う

(岡山放送)