沖縄県出身の大人気アーティスト・三浦大知さん。類い稀な歌唱力とパフォーマンスで「和製マイケル・ジャクソン」と評されている。
三浦大知さんなど数々のスターを輩出したのが、「沖縄アクターズスクール」だ。沖縄テレビでは、1996年から約5年間に渡ってアクターズスクールの生徒に密着した番組「BOOM BOOM」を放送し、音楽シーンを席巻した当時のアクターズの熱気をカメラに収めてきた。

アクターズスクールで、三浦大知さんや安室奈美恵さんなど数々のスターを育てあげたのが、元チーフインストラクターの牧野アンナさん。牧野アンナさんが発起人となり、2022年10月に大復活祭と題し、アクターズスクール出身アーティストが集結するライブイベントを開催する。アンナさんの復活祭に込めた想いに迫った。

「あのメンバーで再び…」復活祭でB.B. WAVESも20年ぶりに復活

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
いいじゃん、いいじゃん。10代の笑顔だったよ

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沖縄アクターズスクールの元チーフインストラクター、牧野アンナさん。

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
20年前とか30年前の気持ちに戻ってもらえたらなという事で、なるべく当時に近い形で。特にB.B. WAVESのライブはお届けできたらなと思っています

2022年10月に開かれるアクターズスクール大復活祭には、出身アーティスト総勢60人以上が集結。レッスン生から選抜されたグループ「B.B. WAVES」も20年ぶりの復活を果たす。

B.B. WAVES 金城祥子さん:
感覚だけが昔のままで、体がついていかない…。頑張ってやろうと思うと、次の日体痛いってなっています

B.B. WAVES 直島文子さん:
あのメンバーみんなで、またステージに立てるというのは、この後も もう無いと思うので、アクターズスクールはこうだ!というのを思いっきり楽しみながら、みんなと一緒にお客さんも一緒に楽しめたらと思っています

「自分の才能に出会う機会を」復活祭のきっかけは同窓会

さらに、沖縄のこどもたちが自分の才能に出逢う機会を作りたいと、アンナさんのレッスンを受けて選ばれたメンバーが2022年10月のライブに出演できる特別企画も実施。

前日のリハーサルには、スペシャルサポーターとしてアクターズスクールの卒業生・三浦大知さんも応援に駆けつける。

三浦大知さん:
自分も当時のレッスンがいまだに色濃く心に刻まれていので、そのレッスンも皆さんが体験できる、すごく貴重なプロジェクトだと思う

復活祭の開催を思い立ったのは2018年、アクターズスクールの誕生35周年を記念して開かれた同窓会。

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
その時(卒業生)300人くらい集まったのかな。みんなでショーもやったりして、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。あの時間(アクターズで過ごした時間)は、自分にとってすごく大事なものだったんだなというのを思い出せた

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
ただ、同窓会はオフィシャルじゃなかったんですよ。父と私はずっと喧嘩したまんまだったので

沖縄アクターズスクールの創設者で、アンナさんの父・マキノ正幸氏。アンナさんは当時指導者として父をサポートしながら、安室奈美恵さんらとともにスーパーモンキーズのメンバーとしても活躍。

元チーフインストラクター牧野アンナさん:
才能ってこういう事なんだという事が、肌で分かったんですよ。私は絶対に安室奈美恵には敵わない。そこから、インストラクターとして本格的に自分の気持ちが定まった

「絶対的な信頼が揺らぎ始めた」父との間に生まれた深い溝

スーパーモンキーズを脱退した後は指導者に専念し、チーフインストラクターとしてSPEEDや三浦大知さんなど、スターとして花開く若き才能を育てあげた。
しかし2002年…

元チーフインストラクター牧野アンナさん:
色んなプロダクションだったり、芸能界と父が揉めてしまう事が続いて、アクターズからデビューする道が途絶えてしまった。どんどん私自身も、ちゃんと生徒の事が見えなくなっていく。父はアクターズに対する興味を失っていくみたいなところで揉め始める、父に対する絶対的な信頼が揺らぎ始める

経営トップの父と、現場を預かるアンナさんとの間に生まれた深い溝。
アクターズスクール、父との関係を断ち切り、沖縄を離れたアンナさんは、アクターズ時代の出会いがキッカケで、ダウン症の人たちのためのダンススクール「ラブジャンクス」を設立。

「自分で切った糸をもう一度」…繋ぎ合わせたのは

また、AKB48などアイドルグループの振り付けも手掛けるなど多方面で活躍する一方、沖縄で出逢った仲間や教え子の事を考えない日はなかった。

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
許してもらえるならば、自分で切ってきた糸をもう一回繋ぎたい。ちゃんとみんなのために、ちゃんとやりたいという気持ちはずっとありました

切れた糸を紡ぎ合わせるキッカケになったのは、10年以上顔を合わせていなかった父との再会。2021年、妹から「父(マキノ正幸氏)の体調が優れないが病院に行こうとしないので、説得してほしい」と連絡があった。

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
ドアを開けた瞬間に父が「連絡しようと思ってた。会いたかった」って言って。「仲直りしたい。喧嘩はしたくない」

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
「沖縄では、俺はもう終わった人間だよ」そんな弱気な事は、父から一度も聞いたことが無かった

病床の父と対面して感じたのは、アクターズスクールという存在の大きさだった。

本土復帰50年の節目 父と再び手を取って実現する復活祭

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
でも、あなたがアクターズスクールを作ったという事が、どれだけ私たちにとって大きかったか。沖縄のイメージが変わったり、沖縄ってこんなにすごい才能のある子たちがいっぱいいるところという事を、世の中に知ってもらえた。それって、アクターズスクールがあったからだという事をもう一回今知ってほしい

沖縄の本土復帰50周年の2022年、父と再び手を取って実現する復活祭。この秋、一世を風靡したアクターズスクールが再びスポットライトを浴びる。

元チーフインストラクター・牧野アンナさん:
アクターズスクールが泉崎にあった時に、(安室)奈美恵がブレイクしてから「ザワザワザワザワ」っと来た感じがある。生徒たちも増えてきたし。未来に何が起こるんだという、ぶわーっという感覚を復活させたい。一日限りだけど、あのワクワクしたところにみんながタイムスリップできるというか、そういう日にしたい

(沖縄テレビ)

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