コロナ禍でリモートワーク(テレワーク)の導入が進んだと言われている現在。こうした中、NTTは6月24日、“日本全国どこからでもリモートワークで働くことを可能とする制度”を7月1日から始めると発表した。

NTTではこれまで、オフィスでの勤務が基本でリモートワークをする際は申請が必要だったが、7月1日以降は「勤務場所は自宅」を基本とし、「オフィスに出社する場合は出張扱い」にするという新たな制度を導入する。

NTTの「リモートワークを基本とする新たな働き方を可能とする制度」(提供:NTT)
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現段階ではNTTグループ主要会社の約3万人の社員が対象。この新たな制度により、「転勤や単身赴任を伴わない働き方を拡大して参ります」としている。

なお、NTTは2021年9月に発表した「新たな経営スタイル」で、転勤や単身赴任を廃止する方針を打ち出している。

(参考記事:原則“リモートワーク”で転勤・単身赴任はなし!? NTTが新たな働き方を発表…課題を聞いた

国内はどこでもOKだが海外は対象外

「日本全国どこからでもリモートワークで働くことが可能」というのは魅力的な制度だが、住む場所の制限などはあるのだろうか? また、会社から遠く離れた場所に住んでいる社員が出社する場合、新幹線や飛行機などの交通費は会社が負担してくれるのか?

NTTの担当者に話を聞いた。


――「リモートワークを基本とする新たな働き方」を導入する理由は?

全国どこからでも働くことができるようになり、これまで以上にリモートワークの選択肢が広がることになります。

転勤による転居や単身赴任をする必要が無くなることから、社員のワークインライフ(=健康経営)の向上にも資することになると考えています。

ICT(情報通信技術)企業として「リモートワークを基本とする働き方」を推進することは、社員の意識や組織の変革・エンゲージメント向上や、自らのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進、お客さまのDX支援など、NTTグループの今後の事業展開にも繋がるものと考えています。


――勤務場所は「社員の自宅」ということは、オフィスに出社する場合は「出張」扱いになる?

この制度では、勤務場所を「自宅」とし、オフィスに出社する場合は「出張」扱いとなります。


――住む場所の制限は?

居住地は日本国内のどこでも可能です。

なお、海外については、時差によってリアルタイムにコミュニケーションが取りづらいなどの業務マネジメント・勤務管理マネジメント上の課題があること、海外の自宅を勤務場所とすることによって法人税の課税対象となる恐れがあることを踏まえ、対象外としております。

イメージ(リモートワーク)

――会社から遠く離れた場所に住んでいる社員が出社する場合、新幹線や飛行機などの交通費は会社が負担してくれる?

出張の扱いとなるため、出張と同様に会社が負担します。


――出社して仕事をしたいという社員に対しては、どのような対応をする?

業務の必要性がある場合や人脈形成などのコミュニケーション機会の創出のために、出社をすることは想定しており、本人の意向も踏まえて、柔軟に対応する考えです。

7月1日から「転勤・単身赴任不要」が開始

――新たな制度の対象となる社員の反応は?

今回の制度に対する反応は、まだ聞き取れていません。ただ、リモートワークは従来から推進していまして、「自由に使えるトータルの時間が増えた」という声や、時短勤務をしていた子育てや介護が必要な社員から「キャリア形成が可能になった」などと、プラスの声を聞くことが多いです。


――NTTグループ全体では国内に約18万人の社員がいるとのことだが、今回の対象は約3万人。対象となる社員は今後、増えていく?

今後も社員が多様な働き方を選択できるよう、推進していきたいと考えております。


――リモートワークが難しい部署の社員に対しては、何か対応を考えている?

今後もDXの推進により、リモートワーク可能な業務を増やしていき、それを通じて、対象も拡大していく考えです。

イメージ(リモートワーク)

――昨年9月に発表した「新たな経営スタイル」で”転勤や単身赴任を廃止する方針”を打ち出していたが、これは実施された?

7月1日から始まる新たな制度で「転勤・単身赴任不要」が開始いたします。単身赴任者は新たな制度の導入後、転勤前の住居や自宅に転居することも可能です。

なお、転勤前の住居への転居や単身赴任の解消については、一律に実施するものではなく、社員の意向やライフプランへの影響なども考慮しながら、柔軟に対応していく予定です。



新型コロナウイルス対策の緩和に伴い、「リモートワークから出社に戻された」という声もあがる中、NTTが発表した、日本全国どこからでもリモートワークで働くことを可能とする、新たな制度。

出社が出張扱いという一歩踏み込んだ制度となるが、リモートワークを推進する流れの中で、今後、NTTに追随する企業が出てくるのだろうか。

記事 4296 プライムオンライン編集部

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