様々な勤務形態が選べる現在。テレワークのほか、フレックスタイム制度や、あらかじめ定められた範囲の中で自由に出社時間を決められる「時差出勤」の制度を活用している人もいるだろう。

そんな中で今年6月、コンピュータ周辺機器メーカーのエレコム株式会社が、30分刻みの時差出勤制度を導入した。

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同社の公式X(Twitter:@elecom_pr)に、「業務時間をさらに細かく決められるようになりました。子どもの送迎、副業をしたい人、早くからお酒を飲み背徳感を味わいたい人、様々な環境にあわせて拡充です」 というコメントとともに、6月から導入された業務時間の一覧表を投稿。

これまで、エレコムでは「8時~17時」「9時~18時」「10時~19時」の、3種類の勤務時間が設定されており、社員はこの中から好きな枠を選択して出勤・退勤することができていた。

ここに追加されたのが、「7時~16時」「7時30分~16時30分」「8時30分~17時30分」
9時30分~18時30分」
の4種類の時間帯。7時から勤務を開始する枠のほか、10時までの間で細かな「30分刻み」での調節が可能になったという。

公式X(Twitter)には「7時~16時最高過ぎる…」「なんて羨ましい会社なんだ……」などのコメントが続々。新たに追加された「7時~16時」という時間帯への肯定的なコメントが多かったが、「30分刻みなのはすごい!!」とのコメントにはTwitterの“中の人”が「保育園の送迎で超絶ギリギリになる、という事件も解決です!」とリプライを送るなど、細かな時間調節の有効性をアピールしていた。

「早くからお酒を飲み背徳感を味わいたい人」にも嬉しい?
「早くからお酒を飲み背徳感を味わいたい人」にも嬉しい?

また「早くからお酒を飲み背徳感を味わいたい人」というのは遊び心からだろうが、“中の人”からは「16:00台から一杯…」「本気を出せば16:05くらいから乾杯できる…!」とのコメントもあり、実は本気の提案なのでは?とも思わせる一幕もあった。

新たに「30分刻み」で利用できるようになった勤務時間は、やはり人気なのだろうか? エレコムに話を聞いた。

8時9時の勤務開始時間が人気

――今回、新たに30分刻みの勤務時間を追加した理由は?

従業員が選択できる勤務時間帯を増やすことで、子育て世代や多様な人材がより働きやすい環境を整備するため、今回のように出社時のシフトパターンを拡充しました。


――これまでは、どの時間帯を選ぶ人が多かった?時間枠を追加してからは変化した?

これまでは8時もしくは9時始業の時間帯が多く選ばれていて、新たな勤務時間枠を設けてからも同じです。


――では、新たな「30分刻み」の時間帯を選んだ人には、どんな理由があった?

「業務都合」や「感染症対策」といった、従来のシフト勤務を実施していた時からのメジャーな理由に加え、「育児のため」「オフピーク通勤のため」といった理由で選択される方が同数程度増えました。 

子どもの送迎などにも細かな時間調整はうれしい(イメージ)
子どもの送迎などにも細かな時間調整はうれしい(イメージ)

 ――フレックスタイム制度の導入ではなく、あくまで時差出勤とした理由は?

フレックスタイム制は、総労働時間を決めた上で、一日の労働時間を調整できる制度ですが、日中のコアタイムを確保することや、管理上の問題があることから、弊社ではシフト勤務(時差出勤)のみとしています。 


――新たな勤務時間枠の設定について、社内の声は? 

出社前に子どもの送迎をしている方のニーズに応えたい、という思いがきっかけで実施を開始しましたが、全社的に歓迎の声が多かったです。 


――新たな時間帯の設定で、管理職側に混乱が起きたり、新たな課題が発生したりはしなかった?

混乱や課題は特にありません。

オフピーク出勤(イメージ)
オフピーク出勤(イメージ)

同社によると、現在、人気の時間帯は従来と変わらず「8時~17時」「9時~18時」だというが、新たに追加された「7時30分~16時30分」などの時間枠についても、利用者は増えているそう。

また、X(Twitter)では「(勤務時間は)毎日変えてもいいんですか??」という質問も寄せられていたが、シフト勤務の時間枠については「日ごとに設定が可能で、自身の業務状況や家庭の事情に合わせて働くことができる」とのこと。時差出勤はテレワークとの組み合わせもできるということで、柔軟な制度として受け入れられているようだ。

エレコムでは「『人への投資を行い、従業員の皆さんが成長実感を得ることができ、それを企業としての持続的な成長につなげる』ことを優先課題」として、今回の時差出勤制度のほか、ベースアップ・資格取得支援制度の開始・出産祝金の増額など、福利厚生制度の充実化をはかっている。

人事評価制度の見直し予定も

――これらの福利厚生制度は、導入希望の声が多かった?ほかにはどんな制度がある?

当社としては、働きやすい職場環境の提供、および従業員の自発的な能力開発を支援することでロイヤリティを高め、離職防止につなげたいという思いがありました。そこで社内でアンケート調査を行い、ニーズの把握に努めました。また、特にベアについては、インフレなど世情を意識して実施しました。  

その他、指定の保養所が特別価格で利用できる制度、財形貯蓄制度、団体加入保険などがあります。


――時差出勤制度に続き、今後どのような制度を導入していく予定?

まだ検討中のものが多く具体的には申し上げられませんが、人事評価制度の見直しを中心に随時実施する予定です。 

柔軟な時間の使い方を提案したエレコム。自身のワークライフバランスに合った様々な選択ができるという土台が、今後さらに企業に求められていくのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。