今年11月に行われる2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会での目標を、ベスト8以上としているサッカー日本代表。

サッカー日本代表 6月の代表戦
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そのW杯に向けた強化の一環で、6月に4試合の強化試合が控えている。その対戦相手はW杯での最高成績がベスト8以上の国々ばかり。強化試合初戦(6月2日)の相手・パラグアイは、過去にW杯本戦で一度戦い、敗れた相手だ。

森保一監督は「この試合が選手選考に大きな影響を与える」と明言するほど重要なこの試合、所属リーグでタイトル獲得など大躍進を続ける海外組は何を思うのか。

パラグアイ戦は「選手選考に大きな影響」

日本だけでなく世界中を熱狂させるサッカーの祭典、FIFAワールドカップが今年11月21日、カタールで開催される。

悲願のベスト8進出を目指す日本がグループステージで激突するのは、第1戦でドイツ、第3戦でスペインとW杯優勝経験のある強豪国揃い(第2戦はコスタリカvsニュージーランドの勝者)。

そこで重要になってくるのは、本大会までの強化プランだ。3月までアジア最終予選を戦ってきた日本にとって、本大会に向けた初めての強化試合となるのが、6月2日に行われる一戦だ。相手は12年前に激闘を演じた、パラグアイ。

日本中が注目した2010年南アフリカ大会。グループリーグを勝ち抜いた岡田武史監督率いる日本代表は、決勝トーナメント1回戦でパラグアイにPK戦の末敗退した(日本0-0パラグアイ(PK5-3))。
深夜帯にも関わらず、平均視聴率57.3%、瞬間最高視聴率64.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と驚異的な視聴率を残すなど、忘れられない一戦となった。

森保一監督はこのパラグアイ戦について、次のように意気込んだ。

「ただの親善試合ではないということ。W杯に勝つために 我々が目標とする結果を残すためにパラグアイ戦があるという事を肝に銘じて戦っていきたいと思います。
W杯本戦までの期間を考えた時に、この試合が選手選考に大きな影響を与えてくる所は予選と違う所」

海外で実績と経験を積み上げた選手たち

1998年フランス大会のメンバー発表で岡田監督が口にした、「外れるのは市川、カズ、三浦カズ、それから北澤、3選手です」という言葉。
2006年ドイツ大会のメンバー発表でジーコ監督が発した、「タマダ、マキ」。
2014年ブラジル大会メンバー発表でザッケローニ監督が読み上げた、「オオクボ」。

記者会見で大きなどよめきの声が上がるほど様々なドラマが生まれてきたW杯のメンバー選考。今回のカタール大会でも激しい競争が予想される。その理由として挙げられるのが、海外リーグでの選手たちの活躍だ。

パラグアイ戦の激闘があった南アフリカ大会では、本田圭佑・長谷部誠・松井大輔・森本貴幸と4人しかいなかった海外組が、今回のパラグアイ戦では22選手と、実に8割近くの選手が海外クラブに所属。
さらに各国でタイトル獲得に貢献している。

ドイツ・ブンデスリーガ、フランクフルト所属の鎌田大地(25)。

ヨーロッパの強豪クラブが集うUEFAヨーロッパリーグ(EL)では、バルセロナなどを破り決勝へ進出。そしてPK戦までもつれた決勝では、キッカーとしての仕事も果たした。
鎌田はチーム最高得点となる5得点を挙げ、42年ぶりとなる優勝に大きく貢献した。

「僕自身これがプロ初タイトルというか、今までこういう舞台に立てる所にいなかったので、凄い感慨深いし、初めて試合に勝ってうれし泣きというか涙が溢れてきました」(鎌田)

スコットランドの名門・セルティックでも、日本代表戦士が活躍を続けている。

フォワードの古橋亨梧(27)はホームデビュー戦でいきなりハットトリック。最終的には得点ランキングでも2位につけ、年間ベストイレブンにも選出された。
またシーズン途中加入となった前田大然(24)もゴールを量産し、チームはリーグ戦と国内カップ戦の2冠制覇に輝いている。

その他でも、オランダリーグ・PSV所属の堂安律(23)は、国内カップ戦優勝。

さらにイングランド・リヴァプール所属の南野拓実は、FA杯とリーグカップ戦の2つの国内カップ戦で優勝した。

ヨーロッパを魅了したのはタイトルを獲得した選手だけではなく、ベルギーリーグ・ヘンク所属の伊東純也(29)は、スピードを活かしたドリブル突破を武器に、リーグのアシスト王にまで上り詰めた。

「チームの目標はベスト8ですけど、自分の目標はスペイン・ドイツに勝つこと。そこを目標にやってますね。コンディションを落とさずやっていって、W杯でしっかり結果を残したいと思います」(伊東)

今シーズン、イングランドのアーセナルに移籍した冨安健洋(23)も、いきなりレギュラーポジションを勝ち取るなど、ディフェンダーとして確固たる地位を築き上げた。

「プレミアリーグでプレーしていて、毎試合レベルの高い相手と対峙しているので、そこの経験はもちろん日本代表にも還元できる所があると思いますし、アーセナルでプレーしてるんだという自信を持って臨むことは出来ると思います」(冨安)

「チームとしてレベルアップし、勝ち続けてW杯に行く」

合宿が始まった日本代表(5月30日)

パラグアイ戦に向け合宿がスタートした日本代表。

5月30日は海外組のみのトレーニングだったが、久保建英(20)が選手との接触で左足首を負傷、そのまま練習を途中で切り上げた。それでもトレーニングの強度は変わらない。

結果を残してきた海外組らが、メンバー入りへアピールの場となるパラグアイ戦への意気込みを語った。

鎌田大地:
4試合とも大事だと思いますけど、初戦、W杯とも一緒で、初戦で勝つというのが、残り3試合に繋がると思います。チームとしてもレベルアップをしながら勝つことが一番だと思うので、勝ち続けてW杯までいけたらいいなと思います。

堂安律:
日本代表として勝つことが全てだと思いますし、ただW杯まで試合は少ないので、チームとしてやらなくちゃいけないことをまず再確認しながら、個人個人がアピールしたい選手も多いでしょうし、僕もその一人ではあります。チームに対してのパフォーマンスと個人のパフォーマンスと両方意識してプレーしたいと思います。
 

これまで海外組が日本代表に選出されるということは多々あったが、カタール大会に挑む面々が違うのは、各国リーグで活躍し、更にタイトルまで獲得した選手が多数いることだ。

そんなメンバーであったとしても森保監督は、“チャレンジ”してほしいと語る。

「チームの形というコンセプトの部分においては選手たちはわかってくれていると思いますので、その中で自分が生き残るべく個々が思い切りチャレンジしてほしいと思っています。
競争をあおるつもりはないですけど、所属チームであっても代表であってもプロの世界は競争が当たり前の世界だと思いますし、実際W杯までの期間を考えて多くの選手がW杯を目標にしているので、そこにメンバーとして入るための競争の中に、自分の悔いがないようにチャレンジしてほしいと思います」

コロナ禍の影響で登録可能メンバーが23人から26人に拡大される方向で進んでいるものの、代表争いは激化している。日本代表がパラグアイ戦でどのような活躍を見せるか、期待したい。

キリンチャレンジカップ2022 日本×パラグアイ
6月2日(木)夜6時30分
フジテレビ系列生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/soccer/kcc/index.html