大量に残る手形 中身は「未来の自分への手紙や写真」

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埼玉県・川越市の施設のベランダにずらりと置かれている大量のコンテナ。その中身は、人の手形です。

特別な記念や成長の証として押される手形。これをめぐり想定外の事態が起きています。

川越市都市計画部 小林孝至参事:
この写真で写っているのが上下2段の形。手形は1400個くらい残っています。

2022年、持ち主に返還される予定だった

市の施設のベランダに置かれている大量の手形は何なのかというと…

これは1991年、川越市の広報誌に掲載されていた写真。手形に手を合わせる子どもたちが写っています。

手形はモルタルで固められ、中には子どもたちが未来の自分に書いた手紙や写真が入っているという、タイムカプセルだったのです。

地元の青年会議所の呼びかけで作られ、当時、小学生約1700人分が手形をとり、市制100年を迎える2022年、持ち主に返還される予定でした。

当時参加していたという人は…

モニュメント企画に参加した川越青年会議所 相原広明さん:
(駅前を)通る度にその場所をちらっと見に行ったりとか、 友達を連れて「俺の手形なんだよ」ってことを伝えていましたね

大量の手形の中から探すのも困難…8割以上が持ち主不明

手形は、もともと川越駅前の広場に設置されていました。
しかし、駅前広場の改修で2011年に撤去。その年に返還の作業が行われましたが持ち主に返還されたのはわずかだったといいます。

川越市都市計画部 小林孝至参事:
名前程度の名簿はあったと聞いています。ただ、住所等わからない部分があって、こういう(返還が進まない)状況になっています。

市はホームページなどを通じ呼びかけていますが、まだ8割以上の手形が、持ち主不明のまま残されていたのです。

自分の手形を探しに来たという女性が現れ…

そんな中、19日、自分の手形を探しに来たという女性が現れました。

手形を探しに来た女性:
イニシャルで「AS」って書いたのですけど…

大量の手形の中から探しましたが、見つけることは出来ませんでした。当時、青年会議所の理事長だった今西芳夫さんはこう話します。

当時の川越青年会議所理事長 今西芳夫さん:
タイムカプセルを手形という形で、その当時の手の大きさの形が出ている。それをなんとか本人に返してあげたい。絶対にその時の同じものは、手に入らないわけですよね。

(めざまし8「#NewsTag」5月20日放送)