独創的な経営技術などが評価された小売店に贈られる「農林水産大臣賞」に、新潟・三条市の青果店が選ばれた。
評価された理由の1つは、いまや経営に欠かせないSNSの活用。
フルーツにかける店主の思いを取材した。

1玉6000円のメロンなど、全国から厳選した高級フルーツを取りそろえる、三条市のカネギフルーツ。


杉山萌奈アナウンサー:
こちらは「寒熟」という品種のイチゴ。厚みがあって、とても大きいです。1粒2000円もする高級イチゴで、一般的なイチゴと比べると大きさは一目瞭然です

カネギフルーツは、こうした高級フルーツを気軽に味わってもらおうと、3年前からフルーツサンドも販売している。


カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
先代の時は、1つ1万円のミカンが売れる時代だったが、今は厳しい。こういうおいしい果物があることをもっと伝えたかった

フルーツサンドブームの火付け役ともなったカネギフルーツは今回、優れた経営成績の食料小売事業者に贈られる農林水産大臣賞を受賞した。
三条市初の快挙に、滝沢市長も誇らしげな様子だ。

三条市 滝沢 亮 市長:
フルーツサンドブームのはしりですもんね

多いときは、1日500個売れるほど人気のフルーツサンド。

今が旬の「クイーンスプラッシュ」を頂くと…

杉山萌奈アナウンサー:
果汁があふれ出してきます。とっても甘い!一度食べたら夢中で頬張りたくなる程おいしいです

新しいメニューが出来ればインスタグラムで紹介。その“映える”見た目から、女性を中心にファンが拡大し、今ではフォロワー数が1万人を超えている。
カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
1日50~100通くらいDMが来る

こうしたSNSで消費者とコミュニケーションを図った点も、評価された理由の1つだという。
カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
授賞式のこともインスタグラムに上げたが、それに対してのお祝いメッセージも300件くらい来た。ようやく先日返し終わったばかり

(Q.300件に全部返した?)
カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
はい。「おいしいとか幸せな気持ちになります」とか、そういうのを聞いているともっと頑張ろうと思う

いまやSNSの活用は経営に欠かせないが、発信するだけでなく、消費者とコミュニケーションをとることも大事にしている社長の信賀さん。

受賞の喜びを最も伝えたかったのが、フルーツサンドに使っているクリームを開発した先代の父親・一昭さんだ。
カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
フルーツサンドを作る前に亡くなってしまった先代の父親がいるが、今までの人生の中でもすばらしい賞をもらったことを報告した

(Q.何と言ってもらえた気がする?)
カネギフルーツ 信賀康宏 社長:
ようやく「よくやってもらえた」と言ってもらえた気がする。お客さんが食べたことがないような果物を全国から仕入れて、どんどんおいしいものを提供したい。高級フルーツを多くの人に味わって欲しい
三条市の小さな青果店、カネギフルーツ。
信賀さんは、亡き父から受け継いだ思いをこれからも守り、発展させていきたいと考えている。
(NST新潟総合テレビ)