1日で1000人に1人以上が感染
東京都のモニタリング会議では、新規陽性者数の7日間平均が前回の10476人から、16075人に大幅に増加、増加比も、前回の2・3倍から下がったとはいえ1.54倍の高い水準で、このままだと来週10日には新規感染者24756人との分析が示された。
また、新規感染者数は2日、過去最多の2万1576人になったが、これは1日で都民の1000人に1人以上が感染していることになる、との分析も示された。
家庭内感染「最多」が続く
「少しでも体調に異変を感じる場合は、外出、人との接触、登園・登校・出勤を控えるよう周知する必要があります」 感染経路は今週も家庭内が最も多く59.5%、次いで病院、高齢者施設、学校などの施設内が 21.0%、職場が9.1%、会食による感染が2.3%となった。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、誰もが感染者や濃厚接触者となる可能性があることを意識し、自ら身を守る行動を徹底するよう、改めてよびかけた。

都民の100人に1人が療養中
「現在、都民の100人に1人が、検査陽性者として入院・宿泊・自宅、いずれかで療養しております」 また、検査で陽性となった全療養者数は、前回の8万3039人から13万9068 人となり、このうち入院と宿泊療養が3%ずつで、残り94%が自宅療養だという。
東京都医師会の猪口正孝副会長は、検査で陽性となり入院、宿泊、自宅のいずれかで療養している人が都民の100人に1人にのぼっている、としたうえで「自宅療養者のさらなる増加が予測される」との見方を示した。

“重症”の後遺症で脱毛も
「重症度が高い方は、呼吸困難など、あるいは脱毛などが見られる」 都立・公社病院のコロナ後遺症相談窓口のデータが示され、相談者の比率は男性47%、女性52%で女性の方が多く、全体の76%が「既往症なし」と回答していたという。
また、6割以上の人が複数の症状を訴えていると言うことで、東京iCDC専門家ボードの賀来満夫座長は「重症度が高い人は、呼吸困難など、あるいは脱毛などが見られ、比較的軽い人でも味覚嗅覚障害、味覚障害を見られる」と明らかにした。

都外検体増加 京都・大阪が多く
「都外検体が増えている。特に関西。関西で検査ができていないようだ」 過去最多となった2日の新規感染者2万1576人のうち、1053人が都外の検体だった。ある関係者は、1053人のうち、京都307人、大阪186人、兵庫50人など関西圏からの検体が多く含まれていていることに懸念を示した。 また、陽性率は1月以降急速に上昇、2日時点で過去最多の36・4%となった。
緊急事態宣言、都は「人に着目」
東京都は、モニタリング会議後に危機管理対策会議を開き、国への緊急事態宣言の要請を検討する新たな指標を公表。

医療提供体制では、 ▲重症病床の使用率 ▲入院患者で酸素投与が必要な人の割合 このどちらかが、3割から4割になった場合、 感染状況では、 ▲新規感染者数の7日間平均が2万4000人以上となった場合 とし、医療提供体制と感染状況の両方の指標が達した際に国への緊急事態宣言の要請を 検討する、とした。
「人に着目した形の対応」 新たな指標を設定する際に“コロナの重症”の考え方について、都の中村倫治福祉保健局長は、 国は診療報酬上のベッドに着目し、都は人に着目している、との見方を示した。
“隠れ基礎疾患”に注意
「今は禁煙していても、その前の喫煙歴が長いと肺が痛んでいることも・・・」 自宅療養者のさらなる増加が懸念される中、ある関係者は、“隠れ基礎疾患”をこう話した。 医師の診断を受ける際に、自らの情報を伝え漏れないようにすることが重要なのだろう。

「鬼は外」でもオミクロンは
「鬼は外って言いますけれども、オミクロンは今、家の中にもいますし外にもいるってことですから」 オミクロン株の感染拡大を節分になぞらえて、こう話した小池知事。
東京都は、高齢者の家庭内感染を防ぐため、都内で同居家族がいる65歳以上の高齢者(とその介助者)が、家族から離れて6日間連続で都内のホテルなどに滞在する場合、1泊につき5000円を助成する、と発表。 「感染は止める、社会は止めない」とできるのか、私たちにできるのはオミクロンの感染力に合わせ、これまで以上に徹底した感染予防対策だけなのだろう。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)