コロナ禍で大きな打撃を受けている飲食業界。
島根・松江市でうどん店を経営する男性もそのひとり。収束の兆しが見えない中、持ち前のアイデアとバイタリティで、このピンチをチャンスに変えようと奮闘している。

豊富なメニューでユニークなうどん店…コロナ禍で売り上げ減も

うどん店「安菜蔵」の安部剛代表(58)
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あるときは重機を操縦、またあるときはヤギのエサやり。
まるで回遊魚のように動くこの男性は、安部剛さん(58)。松江市のうどん店「安菜蔵(あなぞう)」のオーナー。

安菜蔵 安部剛代表(58):
「うまかったー」って言ってもらうと、涙が出そうにうれしいですね

「安菜蔵」で提供されている

揚げたての大きなエビの天ぷらが乗ったぶっかけうどんなど、豊富なメニューが自慢。

栽培した野菜は店でも使用

店の敷地の畑で野菜を栽培し、店でも使う。さらに、ヤギを飼育。

うどん屋なのに、メニューには手作りケーキもあり、とにかくユニーク。

安菜蔵 安部剛代表(58):
自分がやりたかったこと、頑張ったことがお客さんにダイレクトに伝わって、生きた証しが得られる挑戦がしたかった。毎日が人生最後の日と思ってやってきた

夢を実現するため、6年前、工務店の経営から畑違いの飲食業界へ。

しかし、順調に売り上げを伸ばしていた矢先、コロナ禍に。
売り上げが前年の4割に激減した月もあった。

「十割そば」で勝負 …大手企業に引け取らない冷凍そばで

そば打ち機に話しかけるうどん店「安菜蔵」の安部剛代表(58)

安菜蔵 安部剛代表(58):
うまくいってよー、買ったかいがないけんねー。ここでいうこと聞いてごさんとー

安部さんが愛おしそうに話しかける先にあるのは、そば打ちの機械。

ピンチを脱するため、安部さんは出雲そばで勝負をかけることにした。
地元・松江産のそばを自ら挽き、先ほどの機械で打つのは、つなぎを使わない「十割そば」。

安菜蔵 安部剛代表(58):
そばは、うどん屋を始める前からすごく興味があって、やりたいとは思っていた。おうちで十割そば、お店の味をおうちで食べてもらうにはどうしたらいいかと考えた

急速冷却冷凍装置「3Dフリーザー」

そこで、安部さんの店に運び込まれる大きな機械。安部さんは2021年、これを2台購入。約850万円の投資。経費節減のため、重機を自ら操縦した。

安菜蔵 安部剛代表(58):
これは優秀ですよ。3Dフリーザーは、飲食店の救世主だと思っています

急速冷却冷凍装置「3Dフリーザー」。
食品の水分を損なうことなく、マイナス40度近くまで一気に冷却できる最新の装置。

外出自粛の影響で客足が遠のく中、家庭での需要に着目。
十割そばを急速冷凍することで、打ちたての食感や風味を長期間保ち、大手企業にも引けを取らない商品ができると考えた。

安菜蔵 安部剛代表(58):
本来、冷凍は隠したい。それを胸を張って「うちは冷凍です」、「冷凍のそばです」と言える。今までと違う切り口で向かっている

店の味を家庭へ…うどんとそばの二本柱に

こだわりの「冷凍十割そば」は、1食500円。
キッチンカーでの移動販売を経て、現在はネットのほか、「安菜蔵」の店頭で販売。
夜限定のメニューとしても提供している。

来店客A:
おいしいです。香りもコシもある

見た目にインパクトがある

来店客B:
歯ごたえが全然違います。コシがあって、インパクトもすごい

反応は上々。うどんとそばの二本柱に、手応えを感じている。

安菜蔵 安部剛代表(58):
添加物のない安全なものを提供して、お客さんに喜んでいただくしかないと思ってます

安菜蔵 安部剛代表(58):
(将来は)県内外の人がここを訪れて、おいしいものを食べて癒やされて、「楽しかったわー」と言ってもらえるようなテーマパークをつくっていきたい

アイデアとバイタリティ。
コロナ収束まで、安部さんが歩みを止めることはない。

(TSKさんいん中央テレビ)