待ちに待った人の大行列 老舗がリニューアル
名古屋市千種区に長年愛されてきた食堂がある。この店が建物の建て替えを終え、約1年半ぶりに再開した。グランドオープンの日にはボリューム満点の名物・大盛カツ丼などを求め、朝から常連客で行列となった。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/3/700mw/img_c3c30ea7c5658bb5abfd1986236c88cc159546.jpg)
千種区覚王山の参道で大正2年(1913年)に創業した「玉屋」は、家族で営む“大盛の店”として親しまれてきた。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/d/700mw/img_3d35944a63b111563ae15941fd2b2a7a177962.jpg)
初代の斎藤文次郎さんが、昭和40年代に近所の学生に腹いっぱい食べさせたいと、ご飯を2合分使った大盛を考案。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/e/700mw/img_3e7d09e97941997cca271040894ff655194667.jpg)
カツが別皿にのせられた看板メニュー「カツ丼」のご飯は、大盛りで約1キロとボリューム満点だ。2020年8月にいったん店を閉じていた玉屋が、2021年12月10日にリニューアルオープン。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/f/700mw/img_1fe9a56739cfe65eb95d69ae3addf820166299.jpg)
男性客A:
おいしいですね。1年半ぶり
女性客A:
すごく染みていますよね
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/700mw/img_abf1f74cf6370e0a5ab0098fd08f418e159204.jpg)
待ちに待った人たちで、外には大行列ができていた。
看板の「カツ丼」苦渋の値上げ…油や小麦粉などの値上がり受け
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/700mw/img_25ea00718ac781cea5929e78f2dad798124802.jpg)
「玉屋」の“看板娘”の女将の斎藤千寿子さん(70)。
玉屋 斎藤千寿子さん:
「お母さんがいないと寂しい」って、若い人でも年寄りも言って下さるから、頑張らんとね
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/700mw/img_ac7ee1e0a9fe669dbf2f9617e3d26c06202725.jpg)
老朽化でいったん店を閉じている間も、常連さんから再開を望む声が寄せられたという。今回、満を持してのリニューアルだが、悩みもあった。
玉屋 斎藤千寿子さん:
油と小麦粉が上がって…
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/700mw/img_93adfad807b5f3310b3cdafea9eb2271181327.jpg)
原材料の高騰により、定番のカツ丼は820円から900円へ値上げすることを決めた。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/700mw/img_50f180026bebf57ac203add8e04ba8f2106607.jpg)
以前は普通盛りにプラス180円でやっていた名物の「大盛」については、学生たちにお腹いっぱい食べてほしいと始めたメニューだけあり、値段はまだ検討中だった。
厨房では親子で仕込み 4代目が立派な跡取りに
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/7/700mw/img_371457e206578d7649f25b6feafc3cc4136114.jpg)
プレオープンの12月6日。厨房では、朝から3代目の斎藤隆敏さん(72)と4代目の拓哉さん(43)が親子で仕込みの真っ最中。玉屋では、昆布や煮干しは使わず鰹節だけで出汁を取っている。
玉屋3代目 斎藤隆敏さん:
7年くらい前、私が倒れてからは(拓哉が)。私、入院しとったもんで
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/a/700mw/img_ba770128956706255b4b7806dc14d3c5192930.jpg)
10年前に会社員を辞め手伝いに入ったばかりだった息子・拓哉さんも、今や立派な跡取りとなり貫禄もついてきた。
玉屋4代目 斎藤拓哉さん:
小さい頃からずっと見ていましたから。目で見て覚えていましたね
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/3/700mw/img_739b5ab70e03ba1e7681e7c2cde00c35124329.jpg)
新店舗では文明の利器の力も借りることに。新しく導入したスライサーでキャベツを千切りにしてみたが、カバーが装着されておらずキャベツが飛び散ってしまった。慣れない機械に苦戦しながら、お客さんを迎えた。
待ちに待った常連が続々 1年4カ月ぶりに名物「カツ丼」を堪能
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/0/700mw/img_90967110e9a3ddcb2898500f7c2abcb8217980.jpg)
プレオープンでは、メニューも客数も制限しての営業だ。迷っていた大盛の金額は決まったのだろうか…?
玉屋 斎藤千寿子さん:
大盛りは、お客さんに一回聞いてみます
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/700mw/img_debd87d2050d1c430ec63ea74c095049226378.jpg)
午前11時半にオープン。お客さんの第一号は、20年以上通う近所の生花店の男性だった。注文したのは一番人気の「カツ丼」。大きく分厚いカツを揚げたら、出汁をたまり醤油とザラメで味付けした汁で煮込んでいく。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/700mw/img_7aebf2b134c4b1415bbe7aef2294a4c6196179.jpg)
溶き卵を入れてとじた名物の「カツ丼」(900円)は、リニューアルしても健在。ご主人は1年以上休んでいたこともあり、客の感想が気になるところ…。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/700mw/img_f6f5e7ed03c74abbb5c78790bc8921f8129984.jpg)
玉屋3代目 斎藤隆敏さん:
(味は)本当のこと言ってもらわなあかんよ。1年4カ月ぶりだで
常連の男性:
ちょっと味濃くなった?辛くは無いけど…
玉屋 斎藤千寿子さん:
おいしいでしょ
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/700mw/img_ffce03fce6b4dd0b1249f851f8c7085d181375.jpg)
その後も次々と近所の人たちがやってきた。
男性客B:
待ちに待った。ちょっと長かったですね
男性客C:
この辺は食堂が無いでしょ。待ちかねてたんじゃない。よそで食べても食べた気がしないもん
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/700mw/img_5541369b87c720e18853536c38f21900163319.jpg)
皆さん、おいしくてボリューム満点のメニューを待ち焦がれていたようだ。
決めかねていた大盛の値段 常連に相談しプラス300円に決定
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/7/700mw/img_b72bc3009116bc7e1e9b7f148ae5549d68262.jpg)
店の向かいの団子店の親子もやってきた。お母さんは大盛りの値段について相談した。
団子店の男性:
(値上げは)一気にいった方がいいと思う。刻んで上げるよりは、やるときは一発だって
女性客B:
足して1200円でもいい
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/700mw/img_e20a56009b4af81e931568247a8b03d2111241.jpg)
ボリュームとお値打ちを売りに長年やってきただけに、大盛の値段設定に最後まで悩んでいた女将だったが…。
玉屋 斎藤千寿子さん:
決まりました。プラス300円です。お客さんに納得していただいて、300円に
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/700mw/img_c8bfddedbae3fe0c583776dc77ae2124212448.jpg)
常連さんのおすすめもあり、大盛りは普通盛りにプラス300円の1200円と、赤字にならない金額にした。
常連客「泣けてきそう」 名物大盛メニューが完全復活
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/700mw/img_5e844bf265cfb5805faf59bbd69f2d06204038.jpg)
12月10日、いよいよグランドオープン当日。長年愛されているお店は、朝から大行列となった。建物こそ新しくなったが、暖簾をくぐれば懐かしい空気が。皆さんお好みのメニューを注文し、久しぶりの玉屋の味を楽しんだ。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/5/d/700mw/img_5dc12cb50c16be18f8e0528e09ea11a8131131.jpg)
35年前から通う男性客:
言葉でないですね。泣けてきそうです。待っていました
一方、初めて訪れたという人はボリュームに驚いていた。
女性客C:
ちょっと予想外。めちゃめちゃ大きいですね
女性客D:
知ってて私は“小”にしました
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/700mw/img_727e967d3d9f47852e90b820dd192e1d136866.jpg)
玉屋のご飯のサイズは、少々(200グラム)、小(300グラム)、普通(500グラム)、大盛り(1キロ)の4段階。リニューアルを機に、プラス300円と以前より120円値上げした大盛を完食した男性は…。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/7/700mw/img_87b88498d4aef95b98e0249865df34bd198938.jpg)
玉子丼 大盛を注文した男性客:
(大盛プラス300円は)安いと思いますよ。達成感がありますね
その後も「カレーうどん定食 ご飯大盛」など、大盛メニューが次々と出ていった。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/e/700mw/img_ee1b1d355fc9bc7d215b0b98e3aa8193123005.jpg)
玉屋 斎藤千寿子さん:
ありがたい。「待っとったよ、待っとったよ」ってその言葉だけで、疲れが無くなりました
参道で愛される食堂「玉屋」、1年4カ月ぶりに完全復活だ。
(東海テレビ)